愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
帰り道、一緒に歩くつもりで駅の方へ向かおうとすると、三津屋さんはすかさず私の手を掴んだ。
「真誉ちゃんもちょっとだけ一緒に飲まない? 俺たち、全然話せなかったじゃん?」
「えっと……」
強引に手を繋がれてしまい、なんとなく嫌な気持ちになった。
さっきみんなで食事をしていたときは、気軽に触れてくるような人には見えなかったのに。酔いが回っているせいだろうか。
「ごめんなさい、明日も仕事なので」
「俺もだよ。だから、少しだけ、ね?」
ぐいっと引き寄せられ、体の距離が縮まる。
とろんとした表情から得体の知れない不気味さを感じ取った。
「俺、本当は真誉ちゃんとも、もっと話したかったんだよねえ。連絡先も交換したかったし。でも、十倉があからさまに真誉ちゃんに興味を持ってたから言い出せなくて」
彼の眼差しが、お店で話していたときよりも鋭くなっている気がする。
まるで別人のようだ。柔和で人のいい雰囲気が、今はまったく感じられない。
「真誉ちゃんさあ、あんまりメイクしてないのに、顔、綺麗だよね。透明感があるっていうか。十倉がのめり込んじゃうのもわかるな。俺も見蕩れちゃったもん」
「真誉ちゃんもちょっとだけ一緒に飲まない? 俺たち、全然話せなかったじゃん?」
「えっと……」
強引に手を繋がれてしまい、なんとなく嫌な気持ちになった。
さっきみんなで食事をしていたときは、気軽に触れてくるような人には見えなかったのに。酔いが回っているせいだろうか。
「ごめんなさい、明日も仕事なので」
「俺もだよ。だから、少しだけ、ね?」
ぐいっと引き寄せられ、体の距離が縮まる。
とろんとした表情から得体の知れない不気味さを感じ取った。
「俺、本当は真誉ちゃんとも、もっと話したかったんだよねえ。連絡先も交換したかったし。でも、十倉があからさまに真誉ちゃんに興味を持ってたから言い出せなくて」
彼の眼差しが、お店で話していたときよりも鋭くなっている気がする。
まるで別人のようだ。柔和で人のいい雰囲気が、今はまったく感じられない。
「真誉ちゃんさあ、あんまりメイクしてないのに、顔、綺麗だよね。透明感があるっていうか。十倉がのめり込んじゃうのもわかるな。俺も見蕩れちゃったもん」