愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
掠れた声を絞り出す彼に、もうこれ以上、なにも追及できなくなった。

この抱擁が愛ではなく謝罪なのだと思うと、苦しくて胸が潰れそうだ。

北斗さんは私をどう思っているの? 私の気持ちは迷惑なの?

だったら、どうしてはっきりと『私を愛せない』と言ってくれないの?

視界が涙でじんわりと滲みながらも、泣くまいと抗う。私が泣いたら、きっと彼は自分を責めてしまう。

彼の悲しむ顔は見たくないのだ。



< 75 / 155 >

この作品をシェア

pagetop