愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
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「もし俺になにかあったら、真誉のこと、頼むわ」
そう遊真から持ちかけられたのは、俺たちが難関と言われる選抜試験を突破し、レスキュー隊に配属されたときだった。
非番の日。兄妹で暮らす一軒家に招かれ食事をしていると、ふと彼が真面目な顔で切り出したのだ。
ちなみに当の真誉は大学に行っていて留守だ。
「ぶっちゃけさあ、北斗にだったら真誉を任せてもいいって思うんだよね」
突然そんなことを言い出すからギョッとした。
どこまで深い意味があるのかは知らないが、幼い頃から極度のシスコンで真誉真誉と常に連呼している遊真がそう口にするからには、それなりに覚悟があるのだろう。
「弱気だな。俺に手を出されちゃたまらないから死ねない、くらい言ってくれよ」
「それができればベストだけどさ。正直、ここから先はなにがあるかわからないだろ?」
俺たちは要救助者のため、ともに行動するバディのために、そして自分自身の命のため、過酷な訓練を積む。