愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「それこそ好きでやっている仕事だから、オンもオフも関係ないの。北斗さんがジムで体を鍛えているのと同じ感覚だと思う」

「そう言われると、素直に応援するしかなくなるな」

彼のジム通いは、趣味であり仕事のためでもあるのだろうから。

苦笑する彼に、私はにっこりと笑いかけ、料理をダイニングテーブルに運ぶ。

並んだ食事に、彼は感嘆の声をあげた。

「毎日こんなに準備するの、大変だろう。もっと簡単なものでいいんだぞ?」

朝食のメニューは焼き鮭、納豆オムレツ、ほうれん草としらすのみぞれ和え、きのこたっぷりつみれ汁、白米。

魚や納豆、卵など高たんぱくな食材に加え、ビタミンや食物繊維が豊富な野菜、体調管理をサポートしてくれる発酵食品、今日も一日頑張れるように炭水化物も白米でしっかり摂ってもらう。

さらに消化吸収を助ける大根おろしも入れて胃腸を労わるのも忘れない。

「手を抜いて怪我でもされたら、後悔してもしきれないから。北斗さんにはしっかり食べてしっかり体を鍛えてもらわなくっちゃ」

彼の職業は体が資本だ。私が応援できることといえば、食事を作るくらい。

ちらりと彼を見上げると、甘い笑みが降ってきた。

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