敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「未希は仕事をしているよ」
けれど意外な言葉が返ってきて、目をぱちくりとさせる。すると彼は私の頬に手を添えた。
「妻を甘やかしたい俺の望みを叶えてくれている」
「な、なんですか、それ」
とっさに隼人さんの言い分が理解できず混乱する。彼に甘やかされるのが仕事? そういった内容は契約に含まれていなかったはずだ。
「仕事として受け入れられないか?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
彼の問いかけにすかさず噛みつく。一瞬気まずい空気が流れ、私はためらいながらも続ける。
「仕事だったら……誰が相手でも同じようにしないとなりませんから」
お金を払っているから受け入れていると思われるのは嫌だ。誰に対してもこうなんだって。
「だから、私がこうしているのは……」
そこではたと気づく。逆に隼人さんは、どういうつもりなのだろう。こういう触れ合いも夫婦として必要だと割り切って考えているから? ただの気まぐれ? 私が相手じゃなくても彼は……。
そこで不意に視界が暗くなり、気づけばすぐ目の前に彼の整った顔があった。
「未希が、こうしているのは?」
額を重ねられ、私の言いかけた言葉を反唱される。怖いくらい真剣な面持ちの隼人さんに心臓が早鐘を打ち出し、すぐに声が出せない。
しばしの沈黙のあと、彼の射貫くような眼差しに圧され、私は意を決した。
けれど意外な言葉が返ってきて、目をぱちくりとさせる。すると彼は私の頬に手を添えた。
「妻を甘やかしたい俺の望みを叶えてくれている」
「な、なんですか、それ」
とっさに隼人さんの言い分が理解できず混乱する。彼に甘やかされるのが仕事? そういった内容は契約に含まれていなかったはずだ。
「仕事として受け入れられないか?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
彼の問いかけにすかさず噛みつく。一瞬気まずい空気が流れ、私はためらいながらも続ける。
「仕事だったら……誰が相手でも同じようにしないとなりませんから」
お金を払っているから受け入れていると思われるのは嫌だ。誰に対してもこうなんだって。
「だから、私がこうしているのは……」
そこではたと気づく。逆に隼人さんは、どういうつもりなのだろう。こういう触れ合いも夫婦として必要だと割り切って考えているから? ただの気まぐれ? 私が相手じゃなくても彼は……。
そこで不意に視界が暗くなり、気づけばすぐ目の前に彼の整った顔があった。
「未希が、こうしているのは?」
額を重ねられ、私の言いかけた言葉を反唱される。怖いくらい真剣な面持ちの隼人さんに心臓が早鐘を打ち出し、すぐに声が出せない。
しばしの沈黙のあと、彼の射貫くような眼差しに圧され、私は意を決した。