敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「隼人さんが私の……たったひとりの旦那さまだからです」
他の誰でもない彼だから、私はずっとしまい込んでいた本音をさらけ出せた。こうやって泣くことができた。隼人さん以外の人なら、こんなふうになっていないと断言できる。
自分の精いっぱいの想いをおそるおそる口にしたものの、緊張で胸が張り裂けそうだ。今すぐこの場を逃げ出したい。
そう思った次の瞬間、頭に唇を寄せられ驚きで硬直する。隼人さんは相変わらず真っすぐに私を見つめたままだ。
「発言を撤回する、これは仕事じゃない。無理して受け入れなくていい。未希には拒否する権利がある」
吐息がかかりそうなほどの距離で、吸い込まれそうな彼の瞳に捉まり、息を止める。
きちんと線引きしないと。仕事だから彼の妻としてうまくやっていけると思っていた。繰り返したくない。
そう思いながら私はわずかに目を伏せ、受け入れる姿勢を見せる。すると今度は、目尻に口づけを落とされた。心臓は相変わらずうるさいけれど、不快感など微塵もない。
隼人さんと至近距離で視線が交わり、私はぎこちなく目を閉じた。涙もいつの間にか止まっていて、確かめるように頬を撫でられたあと唇に温もりを感じる。
拒めるわけがない。形だけの夫婦だとか雇用関係があるからだとか理屈ではなく、隼人さんだから。寄り添ってくれる彼に弱さを見せられた。
他の誰でもない彼だから、私はずっとしまい込んでいた本音をさらけ出せた。こうやって泣くことができた。隼人さん以外の人なら、こんなふうになっていないと断言できる。
自分の精いっぱいの想いをおそるおそる口にしたものの、緊張で胸が張り裂けそうだ。今すぐこの場を逃げ出したい。
そう思った次の瞬間、頭に唇を寄せられ驚きで硬直する。隼人さんは相変わらず真っすぐに私を見つめたままだ。
「発言を撤回する、これは仕事じゃない。無理して受け入れなくていい。未希には拒否する権利がある」
吐息がかかりそうなほどの距離で、吸い込まれそうな彼の瞳に捉まり、息を止める。
きちんと線引きしないと。仕事だから彼の妻としてうまくやっていけると思っていた。繰り返したくない。
そう思いながら私はわずかに目を伏せ、受け入れる姿勢を見せる。すると今度は、目尻に口づけを落とされた。心臓は相変わらずうるさいけれど、不快感など微塵もない。
隼人さんと至近距離で視線が交わり、私はぎこちなく目を閉じた。涙もいつの間にか止まっていて、確かめるように頬を撫でられたあと唇に温もりを感じる。
拒めるわけがない。形だけの夫婦だとか雇用関係があるからだとか理屈ではなく、隼人さんだから。寄り添ってくれる彼に弱さを見せられた。