敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
第五章 夫婦の触れ合いは勤務時間外です
さっきからスマホの画面と車の窓から見える景色を交互に見つめ、ソワソワと落ち着かずにいた。すると、運転席から苦笑まじりに声がかかる。
「そんなに心配しなくても遊園地は逃げないぞ」
「わ、わかっています!」
反射的に言い返して隣を見ると、隼人さんの口元には笑みが浮かんだままだった。感情的になった自分が恥ずかしくなり、再び窓の外へ向く。
事の発端は三日前。隼人さんから土曜日に遊園地に行かないかと言われたのだ。
『オーナーからチケットをもらったんだ』
その理由はすぐに見当がついた。今、遊園地とシャッツィがタイアップをして、企画エリアの運営を期間限定で行っているのだ。
ヨーロッパの洋館をイメージした室内で、ままごとやパズル、お絵かきなどさらに区分分けし、シャッツィの玩具で存分に遊べるようになっている。
天候にも左右されず、そのエリア目当てに遊園地に行く家族連れも増え、連日大盛況だとは聞いていた。
チケットをもらったとはいえ、やはり社長としては現場を目で見ておきたいのもあるのだろう。
『私でよければお供します』
家事代行業者としてではなく、むしろシャッツィの社員として律儀に返事をする。すると隼人さんは、眉尻を下げて困惑めいた笑みを浮かべた。
『そうかまえなくてもいい。あくまでもプライベートで言っている』
『ですが……』
言い返そうとすると、隼人さんは急に真面目な顔になった。
「そんなに心配しなくても遊園地は逃げないぞ」
「わ、わかっています!」
反射的に言い返して隣を見ると、隼人さんの口元には笑みが浮かんだままだった。感情的になった自分が恥ずかしくなり、再び窓の外へ向く。
事の発端は三日前。隼人さんから土曜日に遊園地に行かないかと言われたのだ。
『オーナーからチケットをもらったんだ』
その理由はすぐに見当がついた。今、遊園地とシャッツィがタイアップをして、企画エリアの運営を期間限定で行っているのだ。
ヨーロッパの洋館をイメージした室内で、ままごとやパズル、お絵かきなどさらに区分分けし、シャッツィの玩具で存分に遊べるようになっている。
天候にも左右されず、そのエリア目当てに遊園地に行く家族連れも増え、連日大盛況だとは聞いていた。
チケットをもらったとはいえ、やはり社長としては現場を目で見ておきたいのもあるのだろう。
『私でよければお供します』
家事代行業者としてではなく、むしろシャッツィの社員として律儀に返事をする。すると隼人さんは、眉尻を下げて困惑めいた笑みを浮かべた。
『そうかまえなくてもいい。あくまでもプライベートで言っている』
『ですが……』
言い返そうとすると、隼人さんは急に真面目な顔になった。