敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「でしょう? もう十カ月よ」
顔立ちもしっかりして、伸びた髪の毛小さく結われていた。こうして見ると、お母さんの面影がある。血のつながりって不思議だ。
「ご、ごめんなさいね。プライベートなときに声をかけちゃって。デート中かしら?」
みことちゃんを見ていると、早川さんの視線が一緒にいた隼人さんに移り、慌て出す。
「あ、いえ……」
私は隼人さんと早川さんの顔を交互に見て、少しだけ悩んだ。
「実は結婚したんです」
おずおずと答えると早川さんは目を丸くさせる。そしてぱっと顔を綻ばせた。
「えー。おめでとう! 未希ちゃん、結婚は無理だなんて話していたけれど、素敵なご縁があったのね!」
声のトーンが一段と上がり、早川さんは、まるで自分のことのように嬉しそうにしている。それから隼人さんに再度頭を下げた。
「あの、申し遅れました。私、早川と言います。奥様には娘を出産したときに大変お世話になって……」
「そうですか」
隼人さんがにこやかに答えたので、出産後に家事代行業で彼女の元に通っていた旨を説明する。すると早川さんが補足するように続けた。
「未希ちゃんにはすごく助けられたんです。夫が海外に単身赴任をしていて実家も遠方で頼れず、初めての育児で孤独だった私にいつも寄り添ってくれました。家の事だけではなく、彼女の存在にすごく救われたんです」
早川さんの思いに胸が熱くなる。相手の求める依頼に過不足なく応えるのを意識して、私は自分の仕事をしたまでだ。それでも、こうして誰かの役に立って喜ばれるのは本当に嬉しい。それこそ、この仕事のやりがいとでもいうのか。
顔立ちもしっかりして、伸びた髪の毛小さく結われていた。こうして見ると、お母さんの面影がある。血のつながりって不思議だ。
「ご、ごめんなさいね。プライベートなときに声をかけちゃって。デート中かしら?」
みことちゃんを見ていると、早川さんの視線が一緒にいた隼人さんに移り、慌て出す。
「あ、いえ……」
私は隼人さんと早川さんの顔を交互に見て、少しだけ悩んだ。
「実は結婚したんです」
おずおずと答えると早川さんは目を丸くさせる。そしてぱっと顔を綻ばせた。
「えー。おめでとう! 未希ちゃん、結婚は無理だなんて話していたけれど、素敵なご縁があったのね!」
声のトーンが一段と上がり、早川さんは、まるで自分のことのように嬉しそうにしている。それから隼人さんに再度頭を下げた。
「あの、申し遅れました。私、早川と言います。奥様には娘を出産したときに大変お世話になって……」
「そうですか」
隼人さんがにこやかに答えたので、出産後に家事代行業で彼女の元に通っていた旨を説明する。すると早川さんが補足するように続けた。
「未希ちゃんにはすごく助けられたんです。夫が海外に単身赴任をしていて実家も遠方で頼れず、初めての育児で孤独だった私にいつも寄り添ってくれました。家の事だけではなく、彼女の存在にすごく救われたんです」
早川さんの思いに胸が熱くなる。相手の求める依頼に過不足なく応えるのを意識して、私は自分の仕事をしたまでだ。それでも、こうして誰かの役に立って喜ばれるのは本当に嬉しい。それこそ、この仕事のやりがいとでもいうのか。