敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「え、お前、結婚したのか? この前会ったときはそんな相手がいるなんて一言も言わなかったのに……」
私と隼人さんを交互に見つめ、男性は私ににこやかに切り出す。
「初めまして、徳永昴です。隼人とは高校の頃からの友人なんだ。俺の家も会社をしていてね、『徳永通商』って言ったらわかるかな? シャッツィとは会社同士のつながりもあって、この前久々に仕事絡みで隼人に会ったんだ」
徳永通商は大手貿易会社だ。誰もがその名を目にしたことがあるだろう。やはり隼人さんの付き合う人は、そういった世界の方が多いのかもしれない。
「はじめまして、未希と申します」
「未希さんはどこかのご令嬢なの?」
頭を下げて挨拶をすると、徳永さんから意外な質問が飛んだ。
「え?」
「いや、だって隼人が結婚するなら」
「徳永」
続けようとする徳永さんを隼人さんが名前を呼んで制する。
「彼女を放っておいていいのか?」
そう言ってあとからこちらに近づいてきた女性に視線を送った。たしかに彼女ひとり取り残されている状況だ。隼人さんの指摘で徳永さんが慌て出す。
「あ、ごめん、ごめん。つい隼人に会えたのが嬉しくて」
そう言い訳すると女性はにこりと微笑んだ。
「かまいませんよ。隼人さん、お久しぶりです」
なんとなく隼人さんに向ける彼女の表情は硬い。でも、久しぶりと言っているところを見ると隼人さんの知り合いなのだろう。そもそも名前で呼んでいるのだ。
なら、彼女のぎこちなさはなに?
私と隼人さんを交互に見つめ、男性は私ににこやかに切り出す。
「初めまして、徳永昴です。隼人とは高校の頃からの友人なんだ。俺の家も会社をしていてね、『徳永通商』って言ったらわかるかな? シャッツィとは会社同士のつながりもあって、この前久々に仕事絡みで隼人に会ったんだ」
徳永通商は大手貿易会社だ。誰もがその名を目にしたことがあるだろう。やはり隼人さんの付き合う人は、そういった世界の方が多いのかもしれない。
「はじめまして、未希と申します」
「未希さんはどこかのご令嬢なの?」
頭を下げて挨拶をすると、徳永さんから意外な質問が飛んだ。
「え?」
「いや、だって隼人が結婚するなら」
「徳永」
続けようとする徳永さんを隼人さんが名前を呼んで制する。
「彼女を放っておいていいのか?」
そう言ってあとからこちらに近づいてきた女性に視線を送った。たしかに彼女ひとり取り残されている状況だ。隼人さんの指摘で徳永さんが慌て出す。
「あ、ごめん、ごめん。つい隼人に会えたのが嬉しくて」
そう言い訳すると女性はにこりと微笑んだ。
「かまいませんよ。隼人さん、お久しぶりです」
なんとなく隼人さんに向ける彼女の表情は硬い。でも、久しぶりと言っているところを見ると隼人さんの知り合いなのだろう。そもそも名前で呼んでいるのだ。
なら、彼女のぎこちなさはなに?