敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「初めまして、水戸直子です」
その名前に息が止まりそうになる。しかし隼人さんの手前、私が動揺を見せるわけにもいかない。
「ご結婚、されたんですね」
「ええ」
隼人さんの回答に、水戸さんは心なしかホッとした表情になった。
「おめでとうございます」
ふたりのやりとりに鼓動が速くなる。
水戸さんの肩下まである髪はサラサラのストレートで、十分な手入れをされているのが伝わる。メイクもネイルも上品で着ているワンピースもそれ相応の値段なのが見て取れる。正真正銘のお嬢様だと感じた。
「未希さんも知っているんじゃないかな? あの子供服で有名なMitoのお嬢さんで」
「存じ上げています。母が……Mitoに勤めているので」
早口に説明する徳永さんの説明を遮り、私は平静を装って返した。
「そうなんだ。すごいつながりだね」
徳永さんが嬉しそうに笑うので、素直に頷く。
「はい。おかげで子どもの頃、私はMitoの服ばかりを着ていたんです」
「そうなんですか、嬉しいです。お母さまにはいつもお世話になっています」
柔らかい笑みを浮かべる水戸さんから高飛車な感じはまったく受けず、腰も低い。綺麗な顔に見惚れそうだ。
「いいえ。母はMitoに勤めていることが誇りですから……ありがとうございます」
「実は俺たち婚約することになったんだ。隼人のおかげだよ」
徳永さんがさりげなく水戸さんの肩に手を置き、明るく報告してきた。その発言に衝撃を受け、私はとっさに目を伏せる。
その名前に息が止まりそうになる。しかし隼人さんの手前、私が動揺を見せるわけにもいかない。
「ご結婚、されたんですね」
「ええ」
隼人さんの回答に、水戸さんは心なしかホッとした表情になった。
「おめでとうございます」
ふたりのやりとりに鼓動が速くなる。
水戸さんの肩下まである髪はサラサラのストレートで、十分な手入れをされているのが伝わる。メイクもネイルも上品で着ているワンピースもそれ相応の値段なのが見て取れる。正真正銘のお嬢様だと感じた。
「未希さんも知っているんじゃないかな? あの子供服で有名なMitoのお嬢さんで」
「存じ上げています。母が……Mitoに勤めているので」
早口に説明する徳永さんの説明を遮り、私は平静を装って返した。
「そうなんだ。すごいつながりだね」
徳永さんが嬉しそうに笑うので、素直に頷く。
「はい。おかげで子どもの頃、私はMitoの服ばかりを着ていたんです」
「そうなんですか、嬉しいです。お母さまにはいつもお世話になっています」
柔らかい笑みを浮かべる水戸さんから高飛車な感じはまったく受けず、腰も低い。綺麗な顔に見惚れそうだ。
「いいえ。母はMitoに勤めていることが誇りですから……ありがとうございます」
「実は俺たち婚約することになったんだ。隼人のおかげだよ」
徳永さんがさりげなく水戸さんの肩に手を置き、明るく報告してきた。その発言に衝撃を受け、私はとっさに目を伏せる。