敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
やってしまった。
体温計に表示された数字を見て、ため息をつく。
仕事が終わり、出張から戻る隼人さんを迎えるためにとマンションに急いで帰ってきたが、どうも体が思うように動かない。頭も痛くてためしに熱を測ってみると三十九度五分の数字に目眩を覚えた。
熱を出すなんて何年ぶりだろうか。久しぶりの感覚に、とりあえず横になろうとパジャマに着替えベッドに入る。薬を飲んで寝ていればそのうちよくなるだろう。
明日は金曜日だから仕事を休むかどうか悩むところだが、それ以上によりによって隼人さんの帰ってくる日に体調を崩すなんて最悪だ。
自己嫌悪と悪寒で体を丸める。熱いのに寒く感じるなんて不思議だ。
帰ってきた隼人さんに不審に思われないよう、なけなしの力でメッセージを送信した。この状態を知られて変な心配をかけてはいけない。
そう思って端的に、今日明日と家事代行業の休みが欲しい旨と、夕飯は冷蔵庫に用意して入れてあることをまとめて記す。
スマホを枕元に放り投げ、頭の痛みを誤魔化すように枕に顔をうずめた。
『社長みたいな人は家事なんて外注すればすむ話なんだ。未希なんてすぐに捨てられるぞ』
『シングルマザーで育って契約社員。おまけに女としての魅力も積極性もないお前を選んで、社長はなにを得るんだ?』
昼間の木下さんに言われた内容が嫌でも頭の中で再生される。
いくら付き合っていた相手とはいえ、どうしてそこまで言われないとならないのか。今となっては腹立たしく思う一方でその通りだと認めてしまいそうな自分がいる。
体温計に表示された数字を見て、ため息をつく。
仕事が終わり、出張から戻る隼人さんを迎えるためにとマンションに急いで帰ってきたが、どうも体が思うように動かない。頭も痛くてためしに熱を測ってみると三十九度五分の数字に目眩を覚えた。
熱を出すなんて何年ぶりだろうか。久しぶりの感覚に、とりあえず横になろうとパジャマに着替えベッドに入る。薬を飲んで寝ていればそのうちよくなるだろう。
明日は金曜日だから仕事を休むかどうか悩むところだが、それ以上によりによって隼人さんの帰ってくる日に体調を崩すなんて最悪だ。
自己嫌悪と悪寒で体を丸める。熱いのに寒く感じるなんて不思議だ。
帰ってきた隼人さんに不審に思われないよう、なけなしの力でメッセージを送信した。この状態を知られて変な心配をかけてはいけない。
そう思って端的に、今日明日と家事代行業の休みが欲しい旨と、夕飯は冷蔵庫に用意して入れてあることをまとめて記す。
スマホを枕元に放り投げ、頭の痛みを誤魔化すように枕に顔をうずめた。
『社長みたいな人は家事なんて外注すればすむ話なんだ。未希なんてすぐに捨てられるぞ』
『シングルマザーで育って契約社員。おまけに女としての魅力も積極性もないお前を選んで、社長はなにを得るんだ?』
昼間の木下さんに言われた内容が嫌でも頭の中で再生される。
いくら付き合っていた相手とはいえ、どうしてそこまで言われないとならないのか。今となっては腹立たしく思う一方でその通りだと認めてしまいそうな自分がいる。