敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
意識せずとも顔面蒼白になる私に、隼人さんは安心させるように私の頬に触れた。その手の温もりに気持ちが落ち着く。
「彼女が徳永と話してる場面にたまたま遭遇したことがあって、そのときの彼女の表情でわかったんだ。おそらく彼女も徳永に惹かれているって。とはいえ水戸社長の手前、彼女から関係を解消したいなど言い出しづらそうだったから俺から申し出たんだよ」
「そう、だったんですか」
隼人さんの手がそっと離れる。
「彼女のためとか、徳永のためとかそんな気持ちはない。あっさりと手放してもなにも感じないほど、俺は冷たくてドライな人間だったんだ」
言い放つ隼人さんに反射的に否定しそうになったが、その前に彼が続ける。
「でも未希だけは違った」
隼人さんは真っすぐに迷いなく告げた。
「手放したくないし、誰にも譲らない。結婚したからじゃない。未希だから大切に、大事にしたいと思えたんだ。たしかに母に勘違いされたのがきっかけだったかもしれないが、最初にも言ったように未希だから結婚を持ちかけたんだ」
『誰でもいいわけしゃない。君だから言っているんだ』
あのときは、家事代行業者の腕を買ってくれているんだと思った。少なからず信頼を得られているんだと嬉しかった。
もしかしてそれ以上に、隼人さんは私を求めてくれていたのかな?
隼人さんは私の左手に自分の手を重ね、真っすぐな眼差しを向けてくる。
「彼女が徳永と話してる場面にたまたま遭遇したことがあって、そのときの彼女の表情でわかったんだ。おそらく彼女も徳永に惹かれているって。とはいえ水戸社長の手前、彼女から関係を解消したいなど言い出しづらそうだったから俺から申し出たんだよ」
「そう、だったんですか」
隼人さんの手がそっと離れる。
「彼女のためとか、徳永のためとかそんな気持ちはない。あっさりと手放してもなにも感じないほど、俺は冷たくてドライな人間だったんだ」
言い放つ隼人さんに反射的に否定しそうになったが、その前に彼が続ける。
「でも未希だけは違った」
隼人さんは真っすぐに迷いなく告げた。
「手放したくないし、誰にも譲らない。結婚したからじゃない。未希だから大切に、大事にしたいと思えたんだ。たしかに母に勘違いされたのがきっかけだったかもしれないが、最初にも言ったように未希だから結婚を持ちかけたんだ」
『誰でもいいわけしゃない。君だから言っているんだ』
あのときは、家事代行業者の腕を買ってくれているんだと思った。少なからず信頼を得られているんだと嬉しかった。
もしかしてそれ以上に、隼人さんは私を求めてくれていたのかな?
隼人さんは私の左手に自分の手を重ね、真っすぐな眼差しを向けてくる。