敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「俺自身、認めるのに時間がかかったが、出会ったときから未希にずっと惹かれていた」
そう言って隼人さんは、ベルベット生地でできた重厚で正方形の指輪ケースを私に差し出してきた。中には、見覚えのある指輪がキラキラと光を放っている。ふたりで見に行った結婚指輪だ。
「まどろっこしくて、はっきりと言葉にしないまま未希を戸惑わせたり傷つけたりしたけれど、これからはそんな真似を絶対にしない。俺がずっと守っていく。だからなにも心配せず俺のものになってくれないか?」
指輪から隼人さんに視線を移す。笑みを浮かべたいのに、目の奥が熱くて唇を一度ぐっと噛みしめた。
「私……誰に対しても不安があって、踏み込めなかったんです。でも隼人さんが私を変えてくれました。つらくて向き合えなかった私自身に寄り添って、大切にしてもらって……誰かを好きになる気持ちを教えてもらえました」
愛されたいとずっと思っていたものの私には無理なんだって諦めていた。傷つきたくなくて、そうやって自身を守るしかない。
でも隼人さんに出会って、欲しかったものを見つけた。
「仕事としてではなく、隼人さんの奥さんとしてこれからも隣にいさせてください」
求めるだけではなく、隼人さんの幸せを心から願える。彼のために私ができることならなんでもしたい。かけがえのない大切な存在に出会えた。
「もちろん。俺の妻は未希だけだ。もう二度と放さない」
力強く返され、安心感と嬉しさに涙がこぼれそうだ。隼人さんから「はめても?」と尋ねられ、小さく首を縦に振る。
隼人さんはケースから指輪を取り出し、私の左手の薬指に慎重にはめていった。
そう言って隼人さんは、ベルベット生地でできた重厚で正方形の指輪ケースを私に差し出してきた。中には、見覚えのある指輪がキラキラと光を放っている。ふたりで見に行った結婚指輪だ。
「まどろっこしくて、はっきりと言葉にしないまま未希を戸惑わせたり傷つけたりしたけれど、これからはそんな真似を絶対にしない。俺がずっと守っていく。だからなにも心配せず俺のものになってくれないか?」
指輪から隼人さんに視線を移す。笑みを浮かべたいのに、目の奥が熱くて唇を一度ぐっと噛みしめた。
「私……誰に対しても不安があって、踏み込めなかったんです。でも隼人さんが私を変えてくれました。つらくて向き合えなかった私自身に寄り添って、大切にしてもらって……誰かを好きになる気持ちを教えてもらえました」
愛されたいとずっと思っていたものの私には無理なんだって諦めていた。傷つきたくなくて、そうやって自身を守るしかない。
でも隼人さんに出会って、欲しかったものを見つけた。
「仕事としてではなく、隼人さんの奥さんとしてこれからも隣にいさせてください」
求めるだけではなく、隼人さんの幸せを心から願える。彼のために私ができることならなんでもしたい。かけがえのない大切な存在に出会えた。
「もちろん。俺の妻は未希だけだ。もう二度と放さない」
力強く返され、安心感と嬉しさに涙がこぼれそうだ。隼人さんから「はめても?」と尋ねられ、小さく首を縦に振る。
隼人さんはケースから指輪を取り出し、私の左手の薬指に慎重にはめていった。