敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
花嫁の両親が不在で隼人さんに恥をかかせないかと不安だったが、そんなことは気にしなくてもいいと隼人さんもご両親も強く言ってくれ、杞憂に終わった。
「伯母さん、美奈子さん。ありがとうございます」
改めてふたりにお礼を告げると、先に伯母が口を開く。
「なに言ってるの、お礼を言うのはこっちよ。夫を亡くしてひとりになった私が、未希にどれほど救われてきたことか。隼人さんと幸せにね」
伯母の答えに胸が詰まる。目の奥が熱くなり、必死に目を見開いた。
伯母がいたから家事の腕を磨けて家事代行業者として働けた。隼人さんと出会えた。何度、伯母が本当の母だったらと思っただろう。
「未希さん。お母さまとのことは残念だけれど、私はもうとっくにあなたを実の娘のように思っているし、母親と思って頼ってほしいのよ」
美奈子さんに続けられ、今度こそ涙があふれそうになった。私にはこんな素敵な母がふたりもいる。
そのとき、式場のスタッフから声がかかった。そろそろ時間だ。
「先に行っているからね」
「未希さん、隼人をよろしくね」
スタッフに案内され、伯母と美奈子さんは部屋を出て行った。私も移動しなくては。介添えスタッフにドレスのスカート部分を持ち上げられ、椅子から下りる。
先日、改めて徳永さんと水戸――直子さんに会った。
徳永さんから隼人さんの件でなぜか私まで謝罪され、さらには初対面のときの振る舞いについてまで謝られる。
なんのことかと思ったら、『未希さんはどこかのご令嬢なの?』と尋ねたことらしい。
「伯母さん、美奈子さん。ありがとうございます」
改めてふたりにお礼を告げると、先に伯母が口を開く。
「なに言ってるの、お礼を言うのはこっちよ。夫を亡くしてひとりになった私が、未希にどれほど救われてきたことか。隼人さんと幸せにね」
伯母の答えに胸が詰まる。目の奥が熱くなり、必死に目を見開いた。
伯母がいたから家事の腕を磨けて家事代行業者として働けた。隼人さんと出会えた。何度、伯母が本当の母だったらと思っただろう。
「未希さん。お母さまとのことは残念だけれど、私はもうとっくにあなたを実の娘のように思っているし、母親と思って頼ってほしいのよ」
美奈子さんに続けられ、今度こそ涙があふれそうになった。私にはこんな素敵な母がふたりもいる。
そのとき、式場のスタッフから声がかかった。そろそろ時間だ。
「先に行っているからね」
「未希さん、隼人をよろしくね」
スタッフに案内され、伯母と美奈子さんは部屋を出て行った。私も移動しなくては。介添えスタッフにドレスのスカート部分を持ち上げられ、椅子から下りる。
先日、改めて徳永さんと水戸――直子さんに会った。
徳永さんから隼人さんの件でなぜか私まで謝罪され、さらには初対面のときの振る舞いについてまで謝られる。
なんのことかと思ったら、『未希さんはどこかのご令嬢なの?』と尋ねたことらしい。