千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「呼んだ?」
「っ…!!」
中庭の庭園。
ちょうどホースに散水ノズルを取り付けたところで、まさか返事が返ってくるなんて。
冗談抜きで心臓が止まってしまいそうだった。
「い、いえ…!お疲れさま…です…」
おそるおそる振り向くと、いちばん疲労が溜まっているだろう彼は瞳を伸ばして優しい顔。
他の若い女性スタッフにも、気が合いそうな男性スタッフにも。
この表情だけは見せていなかった。
「ずっとあくせく動いてるようだけれど、休憩は?」
「…これが…終わったら」
ある意味、私の唯一の楽しみ。
この庭園を守っているのは私だと大それたことを言うつもりはないけれど、毎日毎日、こうして草花に命を与える瞬間が好きだ。
水やりは毎日必要なことではないため、せめて落ちた葉をホウキで掃くことは何かと理由をつけて毎日している。
私の休息は、言ってしまえばそれでいい。