千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
異色の研究結果
「よう来たな、定春(さだはる)よ」
「時榛です」
「とりあえず空いてるところに座ってくれ、正治(まさはる)」
「時榛です」
前回来たときより少しだけ片付いているように思えたのは、ツクモさんなりの気遣いだろうか。
あれから1ヶ月近く進展を期待させる連絡はなかった。
なのでこちらから聞いてみようかと迷っていた、6月のおわり。
ようやく私のもとに1本の電話が入り、さっそく尋ねにやってきた今日。
「ツクモさん、これは有名なところの最中(もなか)なのですが…」
「おお~!すまんのお嬢さん、ありがたく頂くとするわい」
「お湯に溶かしても美味しくいただけるそうです」
「なんと!おい善治(よしはる)、そこにポットがあるだろう。湯を沸かせい」
「……使い方が分かりません」