千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「つまりだ。おまえは細胞すべてが戦闘能力と化しているということ。そんな体内に、正反対のものが混ざるとどうなる?」
「…正反対の……もの…」
塩だったなら、砂糖。
影だったなら、光。
固いものだったなら、柔らかいもの。
男だったなら………女。
頭のなか、ありとあらゆる正反対のものを並べてみた。
「その機能は少しずつ緩和され、本来の細胞に戻っていくとは思わんか。───という、ワシの仮説に過ぎんがな」
物理学や生物学。
ジャンルで言ったならどこに該当されるのだろう。
ここまで具体的な仮説を立ててしまったツクモさんの話は、どうしたって冗談には聞こえない。
「…たしかに、とあることをした際は必ず能力が低下していると思ったときはあります」
「ほう。とあること、とは?」
「………彼女と、関わったとき」