千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
なんとなく想像はできているのかもしれないけれど、ハッキリと言われなければ安心はない。
見兼ねたツクモさんは、ため息を吐きつつも答えた。
「触れるということだ。深く触れ合えば触れ合うほど効果は絶大だろうな。おまえも子供ではあるまい、察せい」
手を繋ぐ。
抱きしめて、キスをして。
それ以上をした場合の身体への影響をツクモさんは研究したかったらしいのだが、困ったように眉を下げた。
「だからこそ定春にとって情のある女のほうが良かったのだ。お嬢さんが定春とそういった間柄でないことは……誤算だったの」
ふやふやに溶けた最中。
なかの餡が飛び出して、気づけばおしるこに変わっていた。
甘い匂いを独り占めするかのようにおじいさんは味わったものの、どこかふて腐れてもいた。
「すまんな。ボケた老人の戯れ事だとでも思って見過ごしてくれ」