千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「それに俺だって…できることなら好きな子に触れたいと思うよ」
20歳前後の若者が、こんなことを言う。
世間では遊びたい盛りの年頃と言われるが、彼はとても真面目以上に純粋なのだと。
私も…、私だって、好きなひとに触れて欲しい。
いまも熱を込めて向けられる眼差しを、ぎこちなく逸らすことで精いっぱいだった。
「ただ…自分がどうしたいってより、知りたいほうが強かったんだ」
ツクモさんに問われたとき、すぐには答えられなかった理由。
あんなにもこと細かな解析結果が出て驚いたところもあったんだろうけれど、私は思った。
ハル様しか持たない特殊体質、困ることはそこまで大きくはないんじゃないかって。
逆に助かることばかりかもしれない。
華月苑の食材確保が忙しくなるくらいで、そのぶん彼が持つ人よりも優れた身体能力は、華月苑にとっても大きな支えになっている。