千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
『俺は思うよ時榛。答えなんてものはさ、あとからついてくるんじゃないかって』
また俺はお前の言葉に救われてしまったみたいだ。
「これはお前が持っておれい」
そして俺の手に渡された、1枚の写真。
親友と写った唯一だ。
「…しかし、これはあなたの、」
「ワシが持っておっても意味がないわい。たとえ先祖だろうが、伊作も定春に大切にされていたほうが嬉しいだろう」
「…いいかげん覚えてください。俺は時榛です」
伊作、ここは約150年後の未来だ。
ここでもまたお前に会えるなんて、俺は嬉しいよ。
顔をよく見たいから髭を剃ってもらえないかと言った俺に、「ワシのアイデンティティーをなくす気か時榛」と、よく分からない言語と正しい名前を返された。
「…ありがとうございました。また、来ます」
どうしようもなく彼女に会いたい。
彼女に触れて、この腕で抱きしめたい。
声が出るようになった彼女─一咲─を、それでも変わらない彼女─つぼみ─を。