千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「ツクモさんとは、どうでしたか…?」
「…とても深い話ができた。行って良かったよ。…手土産がなくて本人は不服そうだったけれど」
「ふふ。今度は私が持っていきます」
誰にも渡したくない。
きみを本当に幸せにできる男かと問われれば、たしかに保証はできない。
俺はこの時代の人間ではなく、過去の人間。
この場所ときみに守られているような男。
でも俺は、きみの許嫁のようには泣かせない。
「ハル様……?」
「……すこし、疲れたな」
「お部屋に戻りましょう。今日はお客様も少ないので作業も落ち着いていますから」
俺は心配になるよ。
どうしてそこまで疑わないんだ。
こんなもの、きみを部屋に連れ込みたいがための口実だというのに。
「ハル様は普通より体力があるぶん、きっと疲れも人一倍だと思うんです」