千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「ハル様には、帰る場所があります。帰るべき場所が……あります。待ってくれている人が、います」
なら、どうして震えているんだ。
そんなにも泣きそうで、俺の目をいっさいと見てくれないんだ。
そんな言葉を真に受けられることのほうが難しいよ。
ここまで俺が近寄っても気づかないくらい、なにを取り繕うことに必死なのか。
「…同じだよ、そんなところも」
「っ!」
似ている、だったのなら俺だって諦められた。
似ているきみに幻想と執着を抱いて重ねるというなら、俺は最低な男だ。
でも違う。
おなじ、なんだ。
確かに顔立ちは違うが雰囲気が同じ、仕草が同じ、字が同じ、絵が同じ。
もし当時のきみに声が出ていたら、こんな音だったのだろうと思わせてくる。
「ハルさ───、っ、」
そこまで取り繕うなら拒まなければ駄目だろう、ここだって。
初めて重ねに向かった唇は、案外すんなりと合わさってしまった。
「ん…っ!はる、さ…っ!」
振った男と交わすには甘くて優しすぎる。