千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。




「もう…、ずっと起きていたの…?」


「ごめん。可愛かったから、つい」



肌寒さを隠すみたく、布団がかけられてしまう。

出ようとしていた私の意思を尊重してくれないと。



「パンとご飯、どっちがいい?」


「そう…だな。今日はパンにしようかな」


「スクランブルエッグと目玉焼き、どっちにする?」


「すくらんぶるえっぐ…、ああ、あの卵をぐちゃぐちゃにするやつか」



そう。
ぐちゃぐちゃにするやつ。

できればもっと別の覚え方をしてほしいのだけれど、さすが約150年前に生まれたひと。



「わ…っ、朝ごはんっ」


「…まだいいよ。もう少しゆっくりしたい」



今日はスクランブルエッグがいいみたい。


簡単なほうで助かった。

バターと生クリームを忘れず、火加減だけには気をつけなくちゃ。


この感じだと今日はパン5枚は食べそうだ。



「じゃあ…、一咲と、つぼみは…?」


「…ずいぶん意地悪なことを言う」


「ん…っ」



ぷくっと頬を膨らませた私をキスで黙らせて、声以上の愛が与えられた。

くすくす、笑いあう。



< 259 / 262 >

この作品をシェア

pagetop