千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
いっそのこと声帯なんか取り除いて、話せなくなってしまえばいい。
(そんなこと言わないで。私はずっと話したかったはずでしょう…?)
っ……!!
一瞬、よく分からない気持ちが流れてきた。
自分が考えていたことに対して“そうじゃない”と、真っ向から否定されたような。
だれが誰にしているのかと問われたならば、それは私が私にしているのだ。
「はあっ、はあ…、これだよこれ…、若い肌と最高な女の匂いだ」
「っ、やだあ……っ!」
止みそうにない雨と風は、やっと出た声をも簡単にかき消してしまう。
首筋にかかった湿りを帯びた吐息、
全身を這いずりまわる生ぬるい手。
されるがままに押し付けられる欲望。
きもちわるい、いやだ、いやだ。
ぐちゃぐちゃな気持ちが嫌悪感と一緒に涙になって込み上げてきた───瞬間。