千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
異次元すぎる1名様
私はいま、すごいものを目にしてしまっている。
きっとこれを見てしまえば、最近食欲が……などと首をかしげるお母様方を救えるはずだ。
昨夜の天気が嘘みたいにカラッと晴れた空の光が射し込む窓、清々しい朝の7時。
部屋の外からは、朝食をお客様へと届けに向かう従業員たちの忙しい足音が届いてくる。
そんななか、山林館の一間にて。
次から次に消えていくご馳走たち。
「あ、あの……、ハル様、」
ぱくっ、ばくばくばくっ、
ズズズッ、カチャ、ゴクゴクゴク。
とんでもないスピードだ。
気になるところは胃袋の仕組み。
1.5合のおひつじゃ足りないと諦めたついさっき、3合のおひつを追加したはずが…。
満腹感という感情を捨ててしまったかのごとく、おひつを抱えながらバクバクと平らげてゆく現在。