千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。




「記憶喪失のことを詳しく調べてもらえるんじゃないかなって…、昨夜の風邪も、一応は診てもらったほうがいいと思います」


「……それは意味がない」



意味がない……?
どういう意味の、意味がない、なんだろう。


熱はもう下がったから?

記憶喪失だなんて、誰にも信じてもらえないから?


としても私が連れて行こうとしている病院は少しだけ変わったところだから、行く価値はあるんじゃないかと思った。



「俺の場合は…、医者に診てもらったとしても意味がないんだ」


「……そう…ですか」


「…すまない」



私はあたまを横に振る。


これは無理強いさせることじゃない。
行きたくないのなら、行かないほうがいい。

今は脳を休ませてあげることがいちばん大切だ。


追い詰めてしまったら元も子もないもの。



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