千歳の時を越えたハル様へ、今日もあなたを愛しています。
「私は華月苑を取り締まる人間の娘でもあります。なので私に…お任せください」
私だって使おう、与えられた身分を。
たとえそれが偽りのものだとしても、彼の居場所を作るためなら。
むしろこのときのために与えられたんだと思おう。
ぎゅっと胸の前で握った手。
そんなものを見つめて、ふっと、柔らかく届けられた音。
「きみは…、…生まれ変わりは、あると思うか」
「え…?」
「変なことを聞いているとは重々わかっているが、俺も信じられないことばかりを体験しているから……、こんなことが言えたのかもしれないな」
生まれ変わり……。
死んで、また違う生命として生まれ落ちること。
たしかに違う生命でも、それは確実に同じ存在。
人間から人間へと生まれ変わったなら、それこそ何か深い意味やメッセージがあるんじゃないかって。
よく分からないけれど、そうであってと信じたい。