過去の扉と今の扉
そして、私は美優より先に退院して家に戻った。

戻ってすぐに安静にしなければならないが、美優を守る為に、就職活動を再開した。

だけど、私の頑張りが叶わなかった。

美優が、退院して乳児院へ連れてかされた。

「美優ちゃんを、お預かりしますね」

私と美優が、これで最後だと思って泣きくずれた。

私は、美優と最後にした日から何も口に出来なかった。

何もする気が、起こらなかった。

そして、家に清々しい顔で児相が家に来た。

「美優ちゃん、元気ですよ」

「・・・・」

「お母さん、美優ちゃんの為にも頑張りましょう」

「・・・」

「お母さん?」

「美優と、引き離しといて何を頑張れっていうんですか?」

私は、泣きながら訴えた。

その時は、もう私は20歳。

「お母さん、美優ちゃんの為にも里親に出しましょ」

「嫌です」

「まだ、そんな事言ってるんですか?」

「美優は、私の子供です。誰にも渡しません。」

「お母さん、美優ちゃんは犬や猫じゃないんですよ?」

「は?美優は、私の子供です!わかってます」
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