にっき。
親しき中にも礼儀あり
【中学二年生 二月】
「自分が言われのない罪で嫌われたら悲しいでしょ? 冷静になって考え直して」
「他人のことなんてどうでもいい」
「月城ちゃんは優しいからつい協力しちゃうのかもしれないけど、そうやって騙されたらどうするの? 月城ちゃんが心配なの!」
「なんか、人を説得するときのテンプレートみたいだね」
私はこの時、学校内で一番の親友ともめていた。
その友達の名前は仮に百合としておこう。私は彼女をゆーちゃんと呼び、入学当初から親しくさせてもらっていた。
もめていた理由は、問題行動を起こしたと噂になっている先生を追放する署名活動に私が参加しようとしたこと。
それを止めようとして、ゆーちゃんは私を必死に説得してくれた。
とりあえずこの日は、署名するときはゆーちゃんが来るまで待って一緒に話を聞いてからにすると約束して別れた。
このときの私は冷静さを欠いていたし、一方で冷たかったと思う。
ゆーちゃんが本気で心配してくれていたのに気づかないで、挙げ句の果てないがしろにして嘲笑って。
──あれが親友同士としての最後の会話だったとも知らずに。
「自分が言われのない罪で嫌われたら悲しいでしょ? 冷静になって考え直して」
「他人のことなんてどうでもいい」
「月城ちゃんは優しいからつい協力しちゃうのかもしれないけど、そうやって騙されたらどうするの? 月城ちゃんが心配なの!」
「なんか、人を説得するときのテンプレートみたいだね」
私はこの時、学校内で一番の親友ともめていた。
その友達の名前は仮に百合としておこう。私は彼女をゆーちゃんと呼び、入学当初から親しくさせてもらっていた。
もめていた理由は、問題行動を起こしたと噂になっている先生を追放する署名活動に私が参加しようとしたこと。
それを止めようとして、ゆーちゃんは私を必死に説得してくれた。
とりあえずこの日は、署名するときはゆーちゃんが来るまで待って一緒に話を聞いてからにすると約束して別れた。
このときの私は冷静さを欠いていたし、一方で冷たかったと思う。
ゆーちゃんが本気で心配してくれていたのに気づかないで、挙げ句の果てないがしろにして嘲笑って。
──あれが親友同士としての最後の会話だったとも知らずに。
< 1 / 7 >