にっき。
 金曜日、ついに先生が私の不自然な呼吸に気づいてしまった。



「大丈夫? 体調悪い?」



 心配そうに顔を覗き込む英語の先生。



「大丈夫です……理由は授業後に話させてください」



 授業後先生に事情を話すと、ゆーちゃんのクラスの担任でもあるその先生は話し合いの場を設けてくれた。

 そこで私はようやく正しい理由を知った。



「私は月城さんの『他人のことなんてどうでもいい』という考え方が好きじゃないと思いました」



 当たり前だ。他人をどうでもいいなどと思っている人間と誰も一緒にいたくはない。



「あと、『説得のテンプレートみたい』って言葉がかなりグサッと来て」



 真剣に心配しているのをはぐらかされて傷ついたことがとどめとなり、ついに耐え切れず私から逃げたようだ。
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