にっき。
 私がゆーちゃんを傷つけた。

 その事実に泣きそうになる。今でも自分自身が憎たらしいくらいだ。

 この会話を見ていた先生は、私達にお互いの目をしっかり見て話すよう促した。

 しかし、私達はうまく視線を合わせられなかった。

 私は後ろめたさから、ゆーちゃんは恐怖からだろうか。



 もしくは、私だけが向き合えていなかったのだろうか──



 ゆーちゃんはもう、私を『月城ちゃん』という愛称では呼んでくれない。

 帰り際に寂しがってもくれないし、抱きしめてもくれない。

 あの頃の彼女はもう戻っては来ないだろう。

 だが、最近は放課後に少しだけ話しかけてくれるようになった。

 ゆーちゃんの優しさだ。
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