相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
『え………』

奏弟は最初、嶺音の言っている意味がわからなかった。

『カナ、私ね。
ずっと、嘘ついてたことがあるの』
固まっている奏弟に、ゆっくり話し始める嶺音。

『え?え?』

『ほんとは、とっくにカナのこと…男性として見てたよ』

『え?え?え?』

『いつからかは、正直わからない。
いつの間にか、カナのことを“弟としてじゃなく、一人の男性として”意識してた。
ただ、それを認めるのが怖かったの。
9歳年下のカナを…あんなに小さくて可愛くて、ほんとに弟みたいだったカナを、男として見てる自分がなんだか汚ないってゆうか…はしたないってゆうか……
だから、気づかないふりをしてたの』

『………』

『お父さんが亡くなった時、私……無意識にカナに電話してた』

『え?』

『カナのことしか、浮かばなかった』

『………』
(これは、夢?)

『カナに会いたかった』

『………』
(そうだ!夢に決まってる!
ネオちゃんが、俺を求めてくれるなんて……)

『カナに抱き締められたかった』

『………』
自分の頬をつねってみる。

痛い━━━━━
(いや、違う!
これは、夢じゃない………!!)

『━━━━━━━カナのこと……
はっきり、好きだって思い知ったの!』

『………ネオ…ちゃ…』

『カナ、好きだよ!
カナが、大好き!』

『もっと……』

『え?』

『もっと、言って?』

『カナ、大好き!』

『もっと!』

『大好き!』

『まだまだ、言って!』

『大好き!大好き!大好き!大好き!大好き!大好き!大好━━━━━━んんっ!!』

奏弟は、嶺音の言葉ごと口唇を奪うように重ねた。
そして長年の想いをぶつけるように、夢中で貪った。

『━━━━ん…はぁ…ネオちゃん……』

『はぁはぁ…カナ、急にこんな……』

『俺も、大好き!』

『カナ…/////』

『俺の彼女になってくれるんだよね?』

『うん!』

『嬉しい!!』

『フフ…よろしくね!カナ!』

『うん!
ねぇ、このまま…俺の部屋に来てよ!』

『うん!
……………ん?部屋?』

『うん!ネオちゃんと離れたくない!
ネオちゃんを抱きたい!!』

『………/////
え!?あ、いや、そ、そ、それは……』

『ダメ?なんで?』

『だ、だって…そうゆうのは、ちゃんと段階をふんで……!!』

『段階?
段階なら、とうにふんでるよね?』

『え?』

『もう、ふむ必要ないくらいに、段階ふんでるよ!
てか!
もう、無理!!
こんな告白聞かされて“待て”は無理!!
悪いけど、無理矢理連れてくから!!』

そう言って奏弟は、嶺音を抱き上げた。
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