相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
『━━━━カナ!下ろして!!』

『やだ!
下ろしたら、ネオちゃん逃げるでしょ?』
マンションに入り、エレベーターに乗る。

抱っこした状態で、奏弟が顔を寄せてきた。
そして、嶺音の口唇や頬に啄むキスを何度も繰り返す。

『ちょっ…カナ…!』

『ネオちゃん、好き…好き…大好き……!』

『ん…カナ…やめ……』

奏弟はもう…タガが外れたように歯止めが利かなくなっていた。

好きで、
好きで、
好きで、
好きすぎて━━━━━

ずっと、焦がれていた相手が目の前にいる。

止められるわけがない。

エレベーターを下り、自宅に入る。
『今日、両親はいないから』
心配そうに揺れている嶺音の顔を見て、安心させるように微笑んだ。

奏弟の部屋に入る。
初めて入る、奏弟の部屋。

思ったより、スッキリした室内。
デスクにノートパソコン。
あとはベッドと、リクライニングソファ。

ベッドにゆっくり下ろし、組み敷いた奏弟。

『ネオちゃん、ごめんね。
俺、もう止まんない。
お願い、俺を受け入れて!』

ずっと、焦がれていた━━━━━━━

中学一年の時から、嶺音に断られ続けていた6年間。
嶺音を想い続けている期間は、11年にもなる。

その間、彼女を作ってみたこともある。

他に好きな人ができれば、嶺音への狂おしい想いを忘れられるのではと思ったから。

でも……何をしてても嶺音のことしか浮かばず、手を繋いでも、抱き締めていても、キスをかわしても、抱いても……嶺音と重なり、嶺音にしか見えなくなっていた。

違う!
俺が抱きたいのは、ネオちゃん。



柔らかい口唇。
ほんのり赤くて、スベスベの身体。
甘い声や“好き”と囁く声。
潤んだ目。
しがみつくこの腕。



全部、全部………


ネオちゃんがいい━━━━━━



ネオちゃんを抱き締めたら、どんな感じかな?

ネオちゃんとのキスは、どんなかな?

ネオちゃんと繋がれたら、どんなに幸せだろう。

ネオちゃんの中は、どんな感じなんだろう。


ネオちゃんだったら……

ネオちゃんとなら………


ネオちゃん、ネオちゃん……………



気が狂いそうだった━━━━━━━
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