相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
「え?」

“そうだな”と賛同するカヲル達。
嶺音は一人、今気づいたように固まっていた。

そうだ。
私も、カナに嫉妬させてしまってるんだ。

早く帰って、カナにこんな光景を見せないようにしないと!


「ラブ、ごめん!
帰らなきゃ!!」

「は?」

「だって、こんなとこ、カナに知られ━━━━━━」
「「「お疲れでーす!!」」」

そこに、奏弟達が仕事を終え戻ってきた。

「え……ネオ…ちゃ……?」

背後で奏弟の声がする。
嶺音は、ゆっくり振り向いた。

「………っ…///////」

もう…カッコいいなんてレベルを越えていた。

まさに“心臓を撃ち抜かれた”という表現がぴったりな感覚。

「ネオちゃん!!?なんで!?」
慌てたように駆け寄ってくる、奏弟。

「……/////」
(だ、だめ…//////)

「嶺音だぁー」
「何してんの?」
「イワカナの迎えとか?」
他従業員達も、カヲル達と同じ反応をする。

「……/////」
(今、来られたら私…//////)

「ネオちゃん、どうし━━━━━━━」
「ごめんなさい!!!」

「え?」
「わ、わわわ私…/////帰るね!!」

「は?ネオちゃん、何言って━━━━━」
嶺音はバッグを乱暴に掴むと、逃げるようにバックヤードを出た。

「ちょっと待てよ!!!
帰るなら一緒に━━━━━━」

「奏弟!!!」
慌てて追いかけようとする奏弟を止める、愛田。

「は?なんだよ、アイさん!!
ネオちゃんを一人では━━━━━━」

「その格好ではダメだ!!!」
今、奏弟は執事服。
こんな格好で外に出たら、大騒ぎになる。

それくらい、奏弟達は有名人なのだ。
奏弟が外でサングラスや伊達眼鏡をかけるのも、そのためだ。

「は?そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!!!」

「………ったく…まさか、想像を越えた反応をするとはな…(笑)」

「は?」

「俺が連れ戻してくる」

「━━━━━━ダメだ」

そう言った奏弟は、着ていたジャケットやベストを脱ぎ、ネクタイを外した。
そしてシャツのボタンを第二まで外し、首周りを開けた。
最後にセットしていた髪の毛をグシャと崩すと「俺じゃないとダメなんだ」と言って、バックヤードを出ていった。

「なんなの?アイさん」
「どうなってんの?」

「…………ちょっと、意地悪しすぎたな…(笑)」

愛田は苦笑いをして「煙草吸ってくる」と言い、喫煙所に入っていった。
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