相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
「━━━━中岡さーん!」

元気が出ないまま、仕事を終える嶺音。
そこに、杉野が声をかけてきた。

「あ、はい」
「今から、時間ある?食事に行かない?」

「え?」
「あ、大丈夫よ(笑)
ラブバケに行こうって言ってるわけじゃないから!」

「あ(笑)はい、いいですよ!」

「やった!」

「フフ…」
(ほんと、明るい人だよなぁ)

杉野はいつも、明るくて楽天的な人間。
その雰囲気に圧倒されることが多いが、今日みたいな日はとても助かる。

二人は、ピザ店に向かう。
ここは、メニューがピザとワインだけしかないという、ピザとワインに特化した店。
もちろん沢山の種類があるのだが、オーナーがピザとワインに絶対的な自信を持っているのだ。

「カンパーイ!」
「カンパイ!」

「━━━━━んー、美味しい~」
「ほんと、美味しいですね!」

頬を綻ばせて笑う杉野を見て、嶺音はとても癒された気持ちになる。
つられるように笑う。

「おっ!やっと、笑った!」
そんな嶺音に、杉野が頬杖をつき言った。

「え?」

「今日の中岡さん、ずっと元気なかったんだもん!」

「あ…」

「旦那さんとなんかあったの?」

「あ、まぁ…」

「そっか!」

「杉野さんは、恋人いるんですか?」

「あー、これでも私…結婚してるの」

「………」

「………」

「………え…」
完全に固まる、嶺音。

「フフ…やっぱ、そんな反応するよね?(笑)」

「え?え?え?
全然!そんなそぶり…」

「フフ…だよねー(笑)
私ね、18で結婚したの。
高校卒業して、すぐに。
旦那も同い年なんだけど、まぁ…結論から言うと……今、別居中で……」

「そう…だったんですか……!?」

「ごめんね。
新婚さんに聞かせる話じゃないよね……」

「あ、いえ!いえ!
離婚、するんですか?」

「うーん…
まだ、好きなんだよね…」

「そうなんですね!
じゃあ、また戻れたらいいですね!」

「うん。
………………
………はぁ…何がいけなかったんだろ…」

「え?」

「18で結婚したこと?」

「うーん…それはないと思いますよ?」

「え?」

「年齢じゃないです。
大切なのは、お互いの気持ちです。
私はそれを、旦那さんに教えてもらいました。
私の旦那さんは、9歳年下なんですが…
私のこと、一途を思い続けてくれました。
だから、私は彼と結婚できた。
旦那さんの一途な想いに、年齢とか関係なかった。
ただ、好きで、好きで、一緒にいたいと思った。
この先の人生、一緒に生きていきたいと思った。
だから、結婚しました。
だから、杉野さんの18の時の気持ちを悔いるのは違います。
まだ、別居段階です。
大切なのは、これからどうしていくかです。
ちゃんと話し合って、これからのことを考えましょ?」

嶺音は、微笑み言ったのだった。
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