相思相愛・夫婦の日常～カナ♡ネオ編～

｢カナ…｣

｢ネオちゃん、ここ、どーこだ！｣

｢え？｣

｢こーこ！！
……………今、俺達が、いる所｣
更に、奏弟の雰囲気が黒く落ちる。

｢い、居酒屋…｣
嶺音は、足がガクガク震えていた。

｢だよね。
居酒屋、俺がいないのに行くなっつったよな？｣

｢うん｣

これ以上奏弟を怒らせないように、冷静に、正直に答える。

｢約束、したよな？｣

｢うん｣

｢これって、裏切り行為だよな？｣

｢そうだね｣

｢どうしようか？｣

｢どうすればいい？｣

｢━━━━ちょっと待って！！
中岡さん。彼、旦那さんだよね？｣
険悪な雰囲気に、杉野が割って入る。
｢あ、はい｣

｢旦那さん、私が悪いんです。
私が無理言って、来てもらったんです！｣

｢岩谷！！｣

｢え？｣

｢あんた、間違ってる。
中岡は、旧姓。
今は俺のネオちゃんなんだから、岩谷だ｣

｢あ、はい。
その…岩谷さんには、無理矢理来てもらったんです。
ごめんなさい！｣

｢あんたには、関係ねぇよ！！
俺は！ネオちゃんと話してる！！｣

｢あ…でも……｣

｢は？だったら、お前が俺の抑えきれない怒りを鎮めてくれんの？｣

｢え……｣

｢どうやって鎮めてくれるの？
鎮めてみせろよ。
そしたら、ネオちゃんに辛く当たらなくて済む。
俺は常にネオちゃんには優しく、穏やかでいたいんだから。
ほら、なんとかしろよ。
お前のせいなんだろ？｣

｢カナ！もうやめて！！｣

｢は？こいつが言ったんじゃん！
鎮めるって｣

そこにカヲル、コウシン、ナナトが駆けつけてくる。
｢イワカナ！！｣
｢イワカナ、何があったか知らねぇが落ちつけ！｣

｢は？なんで、俺が責められんの？｣

｢とりあえず！話なら、外でな！｣

｢だからぁ！！！なんで！
“俺が”責められるのかって聞いてんの！！！？｣

｢━━━━━イワカナ｣
カヲルが奏弟の胸ぐらを掴み、諭すように目を見る。
｢あ？｣

｢わかるだろ？
“ここで”話すことじゃねぇ｣

｢………｣

｢カナ、ちゃんとわけを話すからここ出よ？｣
嶺音も、真っ直ぐ奏弟を見ていった。

｢は？俺に指図すんなよ｣

｢指図してないよ。
お願いしてるの。
お願い、ここは他のお客さんの迷惑になるから出て話をさせて？｣

｢…………わかった｣

奏弟達は、漸く外に出た。