相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
嶺音と杉野が、わけを話す。

奏弟は先程よりは落ち着きを取り戻していて、冷静に聞いていた。

「━━━━だからね、力になりたかったの」

「だからって、電話くらい出来たよな?
メッセージ入れといてくれても良かった。
どっちにしても怒ってただろうけど、まだ怒りの強さが違った」

「うん、カナの言う通りだね。
ごめんなさい」

「ネオちゃん」

「ん?」

「アイさんが見てなかったら、俺は知らないままだったってことだよな?」

「そうだね」

「ずっと、黙ってるつもりだったってことだよな?」

「そこまで考えてなかった。
ただ、まさに昨日の夜喧嘩したことだったから、言いづらかった。
もしかしたら昨日の喧嘩がなければ、連絡してたかも?
カナに反対されても、説得しようとしてたと思う。
でも今日は、説得できる自信がなかった。
だから、カナが帰るまでに帰ればいいやって気持ちだった」

「そう…」
奏弟は髪をかき上げ、クシャッと握りしめた。

「カナ、ごめんなさい。
もう、こんなことしない。
ここで誓う。
もし次飲み会に誘われるようなことがあったら、ちゃんと報告するから」

「…………とりあえず、帰ろ。
帰って、俺のこの怒りをネオちゃんが責任持って鎮めて」

「わかった!
━━━━━━杉野さん、気にしないでくださいね!
杉野さんも、旦那さんとちゃんと二人で話し合ってください」

「うん、本当にごめんなさい!」

「あんたに謝ってもらっても、何も解決しない。
俺の機嫌を左右できるのは、この世でネオちゃんだけ」

「でも、私のせいで二人が……」

「は?あんた、俺とネオちゃんのことなんだと思ってんの?
あんた等夫婦と一緒にすんな!」

「え?」

「ちょっ…カナ!!」

「俺は、ネオちゃんにどんなに傷つけられても、裏切られても大好きだ。
何があっても、ネオちゃんを愛し続けることができると確信したから結婚した。
何があったか知んねぇけど、別居するような人間に心配なんかされたくもねぇ。
その前に、ネオちゃんに頼らず自分で自分のことをちゃんとしろよ!!
あんた等夫婦のことなんだから、夫婦でなんとかしろ!!」

「もうやめて!!
カナ、行こ?
カヲル達も、ごめんね!ありがとう!」

奏弟を引きずるようにして、嶺音はその場を後にした。
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