相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
自宅マンションに帰り着くなり、奏弟が嶺音を壁に押しつけた。
そして、キスしようと顔を近づける。

「え?ちょっ…」
玄関入ってすぐの壁に押しつけられたため、思わず奏弟を押し返す嶺音。

「は?何?この、手」
奏弟は、押し返してくる嶺音の手を掴んだ。

「待ってよ。
こんなとこでやめて?」

「は?ここまで我慢してやったじゃん!
ねぇ、キスしてよ。
まずは俺が満足するまで、ここでキスして」

「………」

「早くしろよ」

「カナ」

「何?」

「一つだけ、お願い聞いて?」

「何?」

「怖いの。
もう少し、優しく…」

「………」
奏弟は、一度離れて天井を見上げた。
そして大きく息を吐く。

「ネオちゃん、して?」

「うん」
奏弟の表情が穏やかになり、嶺音は頷いてキスをした。

チュッ!チュッ!と啄んで、深くなる。
嶺音の目から涙が溢れ、頬を伝う。

「ん…ネオちゃん?」
頬に触れ、涙を拭う。

「カナ…好き…」
奏弟を見上げ、呟くように言った。

「……/////うん、俺も!
………ったく…こんな不意打ちみたいに言われたら、一気に許しちゃうじゃん!(笑)」

「早く、仲直りしたい…」

「うん、仲直りしようね!」
奏弟が、嶺音を抱き上げる。
寝室に向かい、ベッドに下ろした。

「カナ、お風呂は?」
「ん?後で」

「私、お酒臭いよ?
ちょっと、汗かいてるし」
「いいよ」

「え?ダメだよ」
「ダメって言っちゃ、ダメ!
今日は、ネオちゃん“ダメ”禁止!」

「でも…カナに“臭い!”って思われたくない!」
「臭い!って思わない」

「でも……」
「“でも”も禁止!」

「うぅ…」
「その顔も、禁止!」

「好き!」
「好きも、禁━━━━は?いやいや、好きはいっぱい言って!」

「好き」
「フフ…」

「私も、好きだよ」
「うん!」

「カナが杉野さんに言ってくれたでしょ?」
「ん?」

「“いくら傷つけられても、裏切られても大好き”って」
「うん!」

「私も、同じだよ!」
「ほんと!?」

「うん、好き…好きなの」
両手を上げて、首に抱きつく。
そのまま引き寄せ、奏弟が嶺音に覆い被さった。

「んん…ネオちゃん、ダメだよ。
ネオちゃんが潰れる!」

「いいの」

「ダメだって!
ネオちゃん、細いんだから!」

「いいの!
カナの重みが、幸せなの」

「……/////」
「カナ…カナ…大好き…」

「……/////」
「好き…好き……」

「ネオちゃん、そんな可愛いこと言われたら、理性きかなくなる」

「……………理性、きかせなくていいよ」

「え?」
嶺音の言葉に、思わず向き直る。

「だって、カナの機嫌直さなきゃだよ?
理性、きかせなくていいじゃん。
それに、言ったでしょ?
私も、同じって。
カナに傷つけられても、裏切られても大好き!」
奏弟の頬に触れ、微笑む嶺音。


嶺音のこの言葉を最後に、奏弟の理性は完全になくなった。
本能のままに、嶺音を求め愛し合った。
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