相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
その後も楽しく飲んでいる奏弟のスマホに着信が入る。
「ん?この番号、なんだ?」
知らない番号なので、出ないでほっておく。
すると留守電に切り替わり、メッセージが残った。
それを聞く、奏弟。
『━━━━━◯◯署の◯◯です』
「は?警察!!!?
━━━━━━━━━━━」
慌てて奏弟は、カヲル、コウシン、ナナトと共に警察署に向かう。
「ネオちゃん!!!?」
「あ…カナ…
カヲル達も、来てくれたの?」
椅子に腰かけた、嶺音がいた。
「ネオちゃん、どうした!?」
嶺音の足元に跪き、切れている口に優しく触れた。
「エヘヘ…喧嘩しちゃった!(笑)」
笑う嶺音を見て、奏弟はとても切ない気持ちになる。
「どうして、喧嘩なんかしたの?」
「うーん…内緒!」
「どうして?」
「なんか、カッコ悪いから。
カナに知られたくない。
警察の人がね、旦那さんかお母さんのどちらかに迎えに来てもらわないと帰さないって言われたからしかたなく連絡したけど……
ほんとは、バレないように隠す予定だったの」
「………とりあえず…帰ろ?」
「うん…」
奏弟に支えられるように立ち上がる嶺音。
警察に一度頭を下げて、警察署を出た。
ゆっくり暗い道を歩く、奏弟達五人。
誰一人喋らず、足音だけが響いている。
「━━━━━ねぇ」
嶺音が口を開いた。
「ん?」
「カナ達高校生の頃、よく喧嘩してたじゃん」
「うん」
「凄いね」
「は?」
「凄いか?」
「なんで、そんな発想に?」
「変な嶺音」
「だって、痛いんだもん。
殴った手も、殴られた身体も、心も……」
「………」
「………」
「………」
「………」
「よく、こんな痛いことばっかしてたよねー(笑)」
笑う嶺音の顔が、なんだか痛々しい。
奏弟達は、切なくなる。
「カナとカヲルの喧嘩なんか、凄かったし(笑)」
「………」
「………」
「………」
「………」
「一番凄い喧嘩した時なんか、カナ、寝込んだよね(笑)
フフ…
そりゃ寝込むよねー
だって、私、この程度で痛くて堪んないんだもん(笑)」
「……ネオちゃん…」
「……嶺音…」
「……もう…」
「……いいから…」
「あー、思い出したー
カヲル、歯が折れたんだよねー(笑)
フフ…フフフ……」
「━━━━━━━ネオちゃん!!」
「え?」
「もう、いいよ。
やめよ?」
「えー!
私は、場を盛り上げようと」
「ネオちゃんが話す度……“助けて”って聞こえる。
凄く辛いことがあったんでしょ?」
「真面目な嶺音が喧嘩するくらいのこと」
「我慢できなくて、苦しくて、どうしようもなかったんだろ?」
「本当は泣きたいんじゃねぇの?」
奏弟達の切ない声が、嶺音の心に響く。
嶺音の張りつめていた糸が切れる。
「うぅ…」
あっという間に目が潤んで、涙が溢れた。
そんな嶺音を奏弟は、力強く抱き締めたのだった。
「ん?この番号、なんだ?」
知らない番号なので、出ないでほっておく。
すると留守電に切り替わり、メッセージが残った。
それを聞く、奏弟。
『━━━━━◯◯署の◯◯です』
「は?警察!!!?
━━━━━━━━━━━」
慌てて奏弟は、カヲル、コウシン、ナナトと共に警察署に向かう。
「ネオちゃん!!!?」
「あ…カナ…
カヲル達も、来てくれたの?」
椅子に腰かけた、嶺音がいた。
「ネオちゃん、どうした!?」
嶺音の足元に跪き、切れている口に優しく触れた。
「エヘヘ…喧嘩しちゃった!(笑)」
笑う嶺音を見て、奏弟はとても切ない気持ちになる。
「どうして、喧嘩なんかしたの?」
「うーん…内緒!」
「どうして?」
「なんか、カッコ悪いから。
カナに知られたくない。
警察の人がね、旦那さんかお母さんのどちらかに迎えに来てもらわないと帰さないって言われたからしかたなく連絡したけど……
ほんとは、バレないように隠す予定だったの」
「………とりあえず…帰ろ?」
「うん…」
奏弟に支えられるように立ち上がる嶺音。
警察に一度頭を下げて、警察署を出た。
ゆっくり暗い道を歩く、奏弟達五人。
誰一人喋らず、足音だけが響いている。
「━━━━━ねぇ」
嶺音が口を開いた。
「ん?」
「カナ達高校生の頃、よく喧嘩してたじゃん」
「うん」
「凄いね」
「は?」
「凄いか?」
「なんで、そんな発想に?」
「変な嶺音」
「だって、痛いんだもん。
殴った手も、殴られた身体も、心も……」
「………」
「………」
「………」
「………」
「よく、こんな痛いことばっかしてたよねー(笑)」
笑う嶺音の顔が、なんだか痛々しい。
奏弟達は、切なくなる。
「カナとカヲルの喧嘩なんか、凄かったし(笑)」
「………」
「………」
「………」
「………」
「一番凄い喧嘩した時なんか、カナ、寝込んだよね(笑)
フフ…
そりゃ寝込むよねー
だって、私、この程度で痛くて堪んないんだもん(笑)」
「……ネオちゃん…」
「……嶺音…」
「……もう…」
「……いいから…」
「あー、思い出したー
カヲル、歯が折れたんだよねー(笑)
フフ…フフフ……」
「━━━━━━━ネオちゃん!!」
「え?」
「もう、いいよ。
やめよ?」
「えー!
私は、場を盛り上げようと」
「ネオちゃんが話す度……“助けて”って聞こえる。
凄く辛いことがあったんでしょ?」
「真面目な嶺音が喧嘩するくらいのこと」
「我慢できなくて、苦しくて、どうしようもなかったんだろ?」
「本当は泣きたいんじゃねぇの?」
奏弟達の切ない声が、嶺音の心に響く。
嶺音の張りつめていた糸が切れる。
「うぅ…」
あっという間に目が潤んで、涙が溢れた。
そんな嶺音を奏弟は、力強く抱き締めたのだった。