相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
「━━━━翠川さん、これ!」

「あ…ほんとに買ってきてくれたんですね!
ありがとうございます!」

「そりゃあ!約束したし、お礼だし!」

「どうでした?
チーズケーキ」

「うん!美味しかったよ!!
今日もね、帰って食べるんだぁー」

「え?そうなんですか?
ほんと、好きなんですね!チーズケーキ」

「うん!」

「今度、俺が作ったら食べてくれますか?」

「え?え?」

「岩谷さんのために、作ってあげたいなって思ったから!
こう見えても、料理得意なんですよ?(笑)」

「……/////」
思わず、顔が赤くなる嶺音。

「ん?岩谷さん?」

「……//////
あ…ご、ごめんね!
カナと同じことを言ってくれたから、思わずドキッてきちゃった(笑)」

「……………ドキッてきたってことは、少しは意識してくれてるってことかな?」

「え?」

「あ、い、いえ!
それよりも“カナ”って、旦那さんのことですか?」

「うん!奏弟って言うの。
だから、カナ!」

「カナデ?
……………岩谷さんは結婚して、姓が変わったから………
……てことは、カナデ…岩谷 奏弟!!!」
ぶつぶつ言って、弾けるように奏弟の名前を言った。

「カナのこと、知ってるの?」

「岩谷さんは“あいつの”奥さんなんですか!?」

「え?
“あいつ”??」

「ラブブラの岩谷 奏弟ですよね?」

「え?あ、う、うん」

「なん…で…?
なんで、あんな奴の……」

「翠川さん?
━━━━━━━!!!?」
様子がおかしくなった翠川の顔を覗き込むと、グッと引き寄せられた。

「あんな奴と、今すぐ別れてください……
貴女が穢れる……!」
嶺音の肩に顔を埋めて、すがるように言った翠川。

「やめ…離して…!!」
翠川を押し返しながらもがく。

「━━━━はっ!!?す、すみません!!」
翠川はバッと離し、少し距離を置くように離れた。

「ごめんね。
私の方が、カナに惚れてるの。
いや、惚れてるなんてもんじゃない。
ここが!苦しくなるくらい、痛いくらいに好きなの!
だから、無理です!
ごめんなさい!」
嶺音は胸元を握りしめて、翠川を真っ直ぐ見て伝え、頭を下げた。

「岩谷さんも知ってますよね?
あいつが、ラブブラで何て呼ばれたか」

「え?」

「異次元の王ですよ?」

「………」

「人を人と思ってなくて、相手が降参してもなぶる最低な奴」

「で、でも!
カナは、むやみに喧嘩しないよ!」

「それは“今”の話。
高校の頃は、それはもう…酷かった。
俺の友達もよく怪我させられてました。
もちろん喧嘩を売った友達も悪いけど、半殺しにすることはないでしょ?
俺達は、泣き寝入りするしかなかった━━━━━」
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