相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
“岩谷さんみたいな綺麗な人に、あんな奴は相応しくない!!”

最後にそう言われ、嶺音は気分が落ちていた。

午後の仕事も上手くいかない。
珍しく失敗を繰り返す。

なんとか仕事が終わり、自宅マンションに帰る。

奏弟が取りに行ってくれたらしく、テーブルにメモ紙が置かれていた。

【ネオちゃんへ
チーズケーキ、取りに行ったよ
冷蔵庫に入れてます
食べてもいいけど、俺も一緒に食べたいから取っておいてね
奏弟】

冷蔵庫から、チーズケーキを出す。

しかし……食べる気になれなかった。

嶺音は、ケーキを冷蔵庫に戻してソファに横になった。
ボーッとついてないテレビ画面を見ていた。

いつの間にか、眠っていた。


22時半頃、奏弟が帰ってきた。
「ただいまー、ネオちゃーん!」

しかし、全く音がしない。
いつもなら、嶺音がひょこっと顔を出して「おかえりー!」と元気よく挨拶してきてくれる。

「ネオちゃーん!
━━━━━━ネオ…ん?寝て…る…?」

声をかけながら中に入ると、ソファに横になり眠っている嶺音を見つける。

フフ…と笑って、嶺音の頭の上の辺りに腰かける。
そして、ゆっくり頭を撫でた。

「チーズケーキ食って寝たのかな?
やっぱ、ホール食いしたんだろうな……(笑)
俺との分、ちゃんと残ってんのかな?(笑)
━━━━━ネオちゃーん、起きてー!
ただいまのギューとチューしようよぉ!」

軽く揺すると、嶺音が目を覚ました。
「んん…」

「あ、起きた!
ネオちゃん、ただいま!」

「え?あ、カナ…?」

「ただいま!」

「カナー、おかえりぃ!」
抱きつく嶺音を、奏弟も抱き締めた。

「「ギューーー!!」」

「フフ…」
「フフフ…」
微笑み合い、自然と口唇が重なった。


「━━━━━ネオちゃん、チーズケーキは?食べた?」
「え……」

「あれ?食ってねぇの?」
キッチンに移動しながら言って、冷蔵庫の中を覗く奏弟。

「あ、う、うん」
「なんで?」

「あ、えーと……か、カナと一緒に食べようと思って!」

「ん?なんかあったの?」
「へ?!」

「様子がおかしいから。
それに、チーズケーキを一口も食べてないのもおかしい」
「………」
(す、鋭い…)

「ネオちゃん、言って?
何があったの?」

「………」
翠川のことは、絶対に言いたくない。

かといって、誤魔化す言葉も思いつかない。
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