相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
「━━━━だって!」

カヲルがインカムで、伝える。

『『わかった(わかりました)』』


奏弟と翠川は、今日は19時までの勤務だ。
19時半頃、嶺音の待つ区役所前の広場に着いた。

小さな嶺音が、更に身体を小さくしてベンチに座っていた。

「「ネオちゃん!!(嶺音さん!!)」」

「はっ!
あ、カナ!
翠川さん!」

「ネオちゃん!急に走ったら━━━━━」

バッと立ち上がり、駆け寄る。
その途中………

「ひゃっ!!!?」

「「ネオちゃん!!!?(嶺音さん!!!?)」」
お約束のようにつまづく。
奏弟と翠川は同時に、嶺音を抱き留める。

「ご、ごめんね!」

「ネオちゃん!
急に走るなよ!!
つか!イツキ!ネオちゃんに触るな!!」

「はい?
咄嗟だったんですよ!!」

「咄嗟だろうがなんだろうが、俺がいるんだから!!」

「だから!咄嗟ってことは、無意識なんですよ!!」

「ちょっと!!二人とも!!やめて!!」

「「あ…」」

「………ったく…
そうゆうの、子どもみたいだよ、二人とも!」

「ごめん…」
「ごめん…なさい…」

「ん。
翠川さん、もう一度ちゃんと私の気持ちを伝えたくて。
カナにも聞いてほしくて、二人を呼び出したの。
ほんとはね。
ラブにお願いして、バックヤードで待つつもりだったんだけど、電話繋がらなくて。
だから、お店に入ったの。
指名できれば、話せるかなと思ったんだけど……
指名できないこと、知らなくて」

「はい」

「翠川さん、私はカナのことが大好きです。
私は、カナが小学二年生の時から知ってるの。
幼馴染みでね、家がお隣さんだったの。
最初は、弟としか見てなかった。
弟としては大好きだったけど、カナを男としては見れなかった。
それでもカナは、私を…私だけを一途に想ってくれた。
少しずつ、カナが大きくなっていって、背なんかあっという間に追い越して……
そしたら、男性として惚れてた。
その間、色んなことがあったの。
本当に色んなこと。
カナが、とんでもないことをしてきたことも知ってる。
喧嘩ばっかだったこと。
仲間を失ったこと。
傷だらけだったこと。
警察にも何回もお世話になった。
それでも私は、カナがいい!
カナじゃないと、ダメなの!」

「嶺音さん…」

「だから、ごめんなさい!
あなたが私を諦められなくても、私もカナの傍にいることを諦められない。
━━━━━それを、伝えたくて」

「………」
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