相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
「そして、カナ」

「ん?」

「これが、私の気持ち。
ごめんね。
カナを追い詰めるようなことをして。
“あんなことを”考えさせるようなことをして、ごめんなさい……!」

“このまま、ここに…閉じ込めてい?”

「あ、あぁ…
“あれ”は、冗談だよ!(笑)」

「━━━━━違う!!」

「え?ネオ…ちゃん?」

「違うよね?
あれは、本心でしょ?
私が不安にさせたから。
私が……傷つけたくないとか、心配させたくないとか思って言わないでいたせいだよね?」

「……ネオちゃ…」

「ごめんね。
もう、カナを不安にさせないようにするから!
ずっと、傍にいるから!
だからもう━━━━━━」
その瞬間、奏弟が嶺音を抱き締めていた。

「ごめん、ネオちゃん!
ごめんね、ごめん……!
俺が…勝手に不安になっただけ。
ネオちゃんは悪くないんだよ?
…………やっぱ俺、ガキだな……(笑)」

向き直り、奏弟が嶺音の頬を包み込む。
「ネオちゃん。
俺、早く大人になるから!
だから、ずっと…傍にいて?」
「うん!」

微笑み、ゆっくり口唇をなぞる。
奏弟の顔が近づいてきた。

「え……ちょっ…カナ!!ダメ!!」

「ちょっと!!!
俺、いるんですが!!?」

「は?まだ、いたの?」
焦る翠川に、あっけらかんとして言う奏弟。

「はぁ?
ほんっと、最低な奴!
━━━━━嶺音さん。
嶺音さんの気持ちはわかりました。
でも、そう簡単にはいかないので“勝手に”想い続けます。
それなら、いいですよね?」

「え?でも……」

「わかってます。
ちゃんと、前を見ますから。
…………その代わりに……お願い聞いてくれますか?」

「え?う、うん」

「俺も、嶺音さんのこと“嶺音”って呼んでタメ口で話していいですか?
カヲルさん達みたいに、仲良くしたいです。
だから俺のことも“伊月”って呼んでほしいです!」

「うん、そのくらいなら……」

「━━━━━━ダメだろ!!?」

「いいじゃないですか?奏弟さん。
だって……大人になるんでしょ?
大人は“たかが呼び方やタメ口くらいで”ギャーギャー言わないですよ?」

「なっ…!!/////」

「嶺音、よろしくね!」
「うん、伊月!」

最もなことを言われ、何も言えなくなった奏弟のよそに、嶺音と翠川は微笑み合うのだった。
< 59 / 68 >

この作品をシェア

pagetop