相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
それから愛田がレストランに戻り、嶺音は奏弟と話をした。

久嗣のこと。
あの日の、涙のわけを。


「━━━━━そっか。だから“やめて!!”って泣いたんだ……」

「うん。
ヒサは、そう言って亡くなったの。
なんだか、カナまでいなくなる気がしてつい……
ごめんね……!」

「ううん!
知らなかったとはいえ、俺も安易に言う言葉じゃなかった。
ごめん!」

「カナ」

「ん?」

「ギューしよ?」

「うん!」

抱き締め合う、奏弟と嶺音。

「次は、チュー!」

「うん!」

目を瞑り、キス待ちする嶺音の口唇にチュッとリップ音をさせてキスをした。

「フフ…幸せね!」
「うん!幸せ!」

微笑み合う、奏弟と嶺音。


そして奏弟が少し真剣な顔で言った。
「ねぇ、ネオちゃん」

「ん?」

「また、ガキみたいなこと聞いてもいい?」

「ん?」

「ネオちゃんとアイさんの話、スマホで聞いてたんだけど……」

「え?あ、繋がったままだった……(笑)」

「ネオちゃん、言ってくれてたよな?
“夫婦になりたいと思ったのは、カナだけ”って」

「うん」

「その…久嗣って人のことは?
どうだったの?」

「うーん…
ヒサとは、実質2年くらいのお付き合いだったし、ましてや中学生だったし。
夫婦ってのは、考えてなかった」

「でも俺は……出逢ったあの時から、ネオちゃんと結婚するって決めてたよ?」

「え?そ、そうなの?」

「うん!
ネオちゃんとの将来しか、考えられなかった……!」

「カナ…」

「俺は最初から、ネオちゃん“だけ”だよ!」

「………」
黙ってしまった、嶺音。

「ネオちゃん?」

「ほんっと、真っ直ぐだね、カナは。
最初から………!」

「そう?
ワガママなだけだよ(笑)」

「違うよ。
そこが、カナの素敵なところだよ!」

「フフ…そう?ありがと!」

「最初から真っ直ぐで、綺麗だった。
もちろん、この15年の間に色んなことがあった。
悪いことしたし、苦しくて辛いこともあった。
でも私を想ってくれる気持ちだけは、全然ぶれなかった。
そうゆう真っ直ぐなところ、大好きだよ!」
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