グリーンリーフ~夏目若葉メモワール~

それだけが、たったひとつの願い

『それだけが、たったひとつの願い』

 これは私がベリカにやってきたころから、まともな文章が書けるようになったらいつか絶対執筆したいとプロットを練って温め続けた作品なんです。約3年間くらいかな。
 2016年に書き始めた当時も、今から思うとまともな文章は書けていないですけど(笑)、パッと頭に浮かんで書いた作品とは思い入れが違うんですよね(^^;)
 
 姉と母との3人暮らしだったヒロインの由依は、母親が病気になったことで、クリスマスイヴにひとりで家を出なくてはならなくなります。
 大学4年の冬だというのに就職も決まらずで、完全に八方塞がり。

 ヒーローのジンは台湾では有名なモデルという設定です。
(↑日本でいうメンズノンノのオーディションでグランプリを取った、みたいなイメージ)
 母親が日本人だからネイティブな発音で日本語を喋れるので、日本に留学をしながら台湾で芸能活動中。
 日本では日本人のフリをして生活しています。

 幼なじみでマネージャーのショウは、ジンを本当の弟のように思いつつ、ジンの将来性を見抜いて世界を股にかけるスターにする夢を描いているのですが、ジンが由依に惹かれ、しだいに反発するようになったり、事務所が経営危機に陥ったり、台湾の週刊誌に騒がれたりして苦境に立たされます。

 ジンはジンで、幼少期につらい思いをして、自分はショウのマリオネットでいいと半ばあきらめて生きてきたんですけど、由依と出会ってから変わり始めるんですよね。
 由依とふたりで生きていきたい、そのためには芸能人を辞めてもいいとまで決意するんですが、そううまくはいきません。
 そしてそこから4年の月日が流れます。

 タイトルは、すべて捨ててもいいから叶えたい願いがあるのに……という意味をこめて付けました。

 こうしてザーッと物語を振り返ってみると、けっこう暗いテイストに思われますよね(^^;)
 でもですね、言い訳をさせてください!(笑)

 たしかに由依もジンも不幸な身の上なんです。
 だからこそ、互いの傷に気が付いて相手を思いやれるし、そのやさしさに惹かれていくんですよ。
 男女の愛と、人間的な深い愛ですね。

 あとは、ショウとジンの関係。
 ふたりは血は繋がっていないですけど互いに兄弟同然だと思っています。
 一見すると、ショウがジンを押さえつけているように見えますが、ちゃんと愛情はあるのです。
 ラストのあたりはそこに焦点を当てて書きました。自己満足なのですが、自分では気に入っているシーンです。

 切なめテイストですが、改稿してありますので一度手に取っていただけたらと思います。
 私の作品では唯一のイケメン芸能人ヒーローです🥰

※2024年12月、ご縁あってGoodNovel様より配信の運びとなりました。
 それに伴い、現在ベリーズカフェでは非公開になっています。
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