エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side

 そっとベッドに降ろし、彼女を見下ろす。

 「優茉」

 微かに濡れた瞳がゆらゆらと揺れ、彼女の戸惑いを物語っている。
 それでも怯えた様子はなく、俺を受け入れようとしてくれている姿に愛おしさが一層込み上げた。

 「優茉の全部が欲しい」

 胸元で強く握られている彼女の両手をとって、指を絡めながらシーツに縫い止める。

 「柊哉、さん...」

 鼻先が触れると、ぎゅっと目を閉じてしまう優茉を安心させるように、瞼、頬、鼻先、唇へと優しくキスを落としていく。
 まだ力が入っている唇を舌でなぞり、それに反応して開いた隙間から舌を滑り込ませた。

 「っん... ふぅっ」

 次第に鼻から抜ける甘い吐息が漏れ始め、情欲が煽られ止まらなくなった。

 口内を撫でまわし、優茉の力が抜けてきたところで舌先を吸い上げ、わざと音を立てて離れる。

 「優茉...」

 月明かりが僅かに入る薄暗い部屋でも、顔を真っ赤に染めているのが分かる。
 先程より潤んだ瞳を見つめると、顔を背け視線を逸らす彼女。

 「だめ。見てて?」

 熱を帯びた頬に手を添え、優茉の瞳に俺だけを映す。

 そのままずっと、俺だけを見てくれていればいい。この先も、ずっと。

 目を逸らすなんて、許さない。

 「ちゃんと見てて。ずっと、俺のことだけ」

 自分でも驚くほど、独占欲の塊がドロドロと脳内を支配し始め、めちゃくちゃに乱したい感情と、ぐずぐずに甘やかしてやりたい相反する欲求が渦巻く。

 再び唇を重ね舌先でくすぐりながら、身体をなぞり、優茉の反応を見ながらブラウスのボタンを外していく。
 抵抗する事もなく、俺を見つめるトロンとした瞳には、先程までの戸惑いは感じられない。 

 「優茉、可愛い」

 俺の言葉に少しハッとした様に、慌てて両手を胸の前でクロスする。
 その手にキスをしながらジャケットとシャツを脱ぎ捨て、キャミソールの裾から素肌に指先を滑らせる。

 「っ、んっ...」

 なめらかな肌を堪能する様に撫でながら、彼女の手を外し胸元に唇を落とす。

 ブラの上から柔らかい膨らみに触れただけで、ビクッと身体を揺らし恥ずかしそうにする優茉が可愛すぎて...、ギリギリの所で保っていた理性が崩壊し始めた。

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