エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
ふわふわのフレンチトーストにメープルシロップをたっぷりとかけていただく。
身体が糖分を欲していたのか、柊哉さんがお料理上手なのか、その両方か。絶品の味わいに思わず笑みが溢れる。
「ふふっ、とっても美味しいです!朝からこんなに美味しい物が食べられて嬉しい」
「そう?よかった。昨日は食事もさせないままベッドへ連れていってしまったから。せめてものお詫びのつもり」
少しバツが悪そうな顔をする彼がとても可愛い。いや、とってもカッコいいんだけど、何故か今日はとても可愛いく見える。
「身体は大丈夫?少し無理させたかな?辛いところはない?」
フレンチトーストのおかげで自然に出来ていたけれど、その言葉で一気に顔に熱が集まるのを感じる。
「い、いえ、大丈夫です。辛いところも、ありません」
俯きがちにそう答えて、誤魔化すようにスープを口に運ぶ。
「ふっ、可愛い」
その言葉にも、さらに熱が高まる...。昨日、たくさん言ってくれた言葉だから...艶やかな甘い声がちゃんと耳に残っている。
動揺から、すでにたっぷりかけているのにも関わらず追加でシロップをかけてしまい、甘ーくなったフレンチトーストを慌てて口に入れた。
「ふふっ、かけすぎじゃない?甘いでしょ」
すでに食べ終えている彼に頬杖をつきながらじっと見られ、多分耳まで真っ赤であろう顔を背け両手で隠す。
「ははっ、堪らない」と至極楽しそうにしながら食器を下げに行ってしまった。
はぁ、恥ずかしい...。世の中のカップルや夫婦はどうしているの?これが普通なの?
「優茉、今日は何か予定ある?俺は買いたい本があるんだけど、一緒に行かないか?」
「はい!私も行きたいです!」
「俺は今日オンコール当番だからあまり遠くには行けないけど、優茉の身体が大丈夫なら少し出かけよう」
まだ楽しそうに少しニヤニヤしながらそう言う柊哉さんは...ちょっといじわるだ...。