エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 結局流されてしまい、バスルームの電気は消して洗面台の間接照明だけをつけるという約束で、一緒に入ることになった。

 「ふっ、暗すぎない?」

 「だ、大丈夫です。十分見えますから」

 何度もこのやり取りを繰り返しながら身体を洗い、二人入っても余裕がある湯船で彼に捕まった。

 な、なんとなく想像は出来ていたけど、やっぱりとんでもなく恥ずかしい...。

 ぎゅっと足も縮めて体育座りをする私に「ふふっ、こんなに広いのにそんなに小さくならなくても」と笑いながら抱きしめてくる。

 「優茉の身体、柔らかくて気持ちいい」

 そう言われふと彼の腕や足を見ると、細いけどしっかりと筋肉がついて硬そう。
 ちらっと見てしまったお腹も引き締まっていて筋が見える。男らしい身体を直に感じドキドキとさらに心臓が高鳴った。

 あっという間にのぼせてしまいそう...。

 それでもこの状況に少しずつ慣れ脚も伸ばせるようになったころ、彼の指が肌を撫で始める。

 後方の彼を見上げると、くっと顎を上げられ唇が塞がれる。ゆっくりと下唇をなぞったり吸ったり啄むようなキスに、脳までふやけていく。

 肌をなぞる指は、優しくお腹や腕、脚を撫でていくだけ。次第にもどかしくなり、その手をぎゅっと掴むと「嫌?」そう短く問われた言葉に、自分からちゅっと彼の唇にキスをして答える。

 それを合図に、手は胸へと上がっていき、舌は遠慮なく口内を撫で回す。

 「優茉、ここでする? ベッドがいい?」

 そう聞かれて、もうふやけてしまった脳では考えられず無意識にベッドと答えていた。

 ざばっと勢いよくお湯から出て、もう足元がふらついている私を支えながら身体を拭きバスタオルを巻き付けると、そのまま抱き上げられてベッドに降ろされる。

 熱くなった身体に少しひんやりとしたシーツが心地良い...。のんびりとそんな事を考えていると、すぐに彼の唇が胸へと落ちてきて、熱く敏感になったところを舌が這う。

 「あぁっ、んっ」

 油断していたせいか大きな声が出てしまい、途端に恥ずかしくなり慌てて毛布を手繰り寄せた。

 「優茉の可愛い声、もっと聞きたい」

 執拗に何度も舐められると、自分では声も身体の震えも抑えられない。
 彼にされるがまま、何度も奥から熱が迫り上がっては弾けるような感覚に、身体がとろとろに溶けてしまったように動かない。

 すっかりふやけているそこを押し広げながら彼が入ってきて、ぴたりと身体が合わさるとそのまま抱き上げられる。

 向かい合う体勢になり、さらにグッと彼のものが奥まで入り込むのがわかった。
 思わず甲高い声を上げ彼にしがみつくと、ぎゅっと抱きしめてくれてる。そして、ゆっくりと動き始めた彼に、私も拙い動きで応えると、官能的なため息が耳元で響いた。

 私の中で感じてくれていることが嬉しくて、一生懸命に動いていると優しく頬を撫でてくれる。

 「っ、可愛い。優茉、そのまま」

 腰を支えられながらさらに律動を速めると、奥の方で彼が達したのを感じ、私も力を抜いて彼にもたれかかり呼吸を整えていると、抱きしめられたままゴロンっと仰向けに倒された。

 「えっ?」

 「ごめん、もう一回。付き合って?」

 「あぁっ、あっ、んぅ...」

 両手を握られてシーツに押さえつけられ唇を塞がれたまま、最初から深く何度も奥まで貫かれ、もう何も分からなくなる。
 
 分かるのは、彼が愛おしい、ただそれだけ。

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