エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side
「...俺は、何度も夢に見ていたから、その女の子の顔ははっきり覚えていたんだ。名前も歳も何も知らないけれど、ただ、もう一度会いたいとずっと思っていた。
それから再会したのは、優茉が発作を起こして廊下で倒れていたあの時だよ。苦しそうな表情で俺を見上げた瞬間、もしかしたらって思ったんだ」
「えっ...?そう、だったんですか?」
「その後、病室を訪ねて少し話をしただろう?俺はあの時に確信したよ、このクローバーをくれた女の子は優茉だって」
...まさか、再会した瞬間に私だと気がついたなんて...
「...じゃあ、初めから分かっていて、どうして婚約者のフリを...?」
「...ごめん。強引なやり方で優茉を騙すような形になってしまった事は、本当に悪かったと思っている。
ただ、あの時はそれしか思いつかなくて...。どうにか優茉と接点が欲しくて、どうしても俺を好きになってもらいたくて...」
「え...? 好きに...?」
「俺はもう、クローバーをもらったあの日から優茉に落ちていたんだ。あの日からずっと忘れられなくて、もう一度会いたくて...。
再会してからは、色んな表情や感情を見せてくれる優茉の事が愛おしくてたまらなくて...。だから、俺を好きになってくれて、本当に嬉しかった。ありがとう、優茉」
「そ、そんな...」
初めて知る事実に、言葉が続かない。ただ、驚いたけど...でもすごく嬉しくて、ぐちゃぐちゃの感情にとめどなく涙が溢れてくる。
「でも、今さらこんな事を言っても、優茉を騙していた事には変わりないし、信じてもらえなくても仕方ないと思ってる。本当にごめん。最低、だよな...」
ふっと自傷気味に微笑む彼は、見ていられないほど痛そうで、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られる。
「そんな、こと、ありません。柊哉さんがくれた愛は、本物だったって、信じています。私は、そのおかげで強くなれたんです。
私...、柊哉さんのことが、大好きなんです。だから、どんな事があっても、ずっと一緒にいたいです」
「優茉...。ごめん、俺は、もう...、優茉のそばには...」
柊哉さんは俯いて顔を顰め、今にも泣き出しそうな顔で声を振り絞る。
こんなに苦しそうな彼の顔を見たのは、初めて...
「お母さんの、事故のこと、ですか...?」
私の言葉にハッと顔をあげ、目を見開く彼の表情で、やはりそうなのだと確信する。
「優茉...知って、いたのか...?」
「いえ、二日前の命日に、母の遺品の中から当時の新聞記事を見つけて、それで...」
「そう、だったのか...。俺も、信じてもらえないかもしれないけど、命日が同じ日だと分かって、伊織に調べてもらって...」
やっぱり、柊哉さんも初めから知っていたわけじゃなかったんだ。それに、そんな事を知るずっとずっと前から、彼は私の事を...
「優茉、本当にごめん。謝って済む話ではないけど、結果として俺はただ優茉を傷つけただけだった。
優茉を幸せにする権利なんて、初めからなかったのに...俺の、せいで...」
「柊哉さんは...私のこと、もう嫌いになりましたか...?」
「そんな訳ない!でも、俺には、優茉のそばにいる資格は...」
「私も、柊哉さんが、大好きです。その事実を知った今でも、この気持ちは変わりません。
会いたくて、会いたくて...たまらなかったんです」
「優茉...」
「...俺は、何度も夢に見ていたから、その女の子の顔ははっきり覚えていたんだ。名前も歳も何も知らないけれど、ただ、もう一度会いたいとずっと思っていた。
それから再会したのは、優茉が発作を起こして廊下で倒れていたあの時だよ。苦しそうな表情で俺を見上げた瞬間、もしかしたらって思ったんだ」
「えっ...?そう、だったんですか?」
「その後、病室を訪ねて少し話をしただろう?俺はあの時に確信したよ、このクローバーをくれた女の子は優茉だって」
...まさか、再会した瞬間に私だと気がついたなんて...
「...じゃあ、初めから分かっていて、どうして婚約者のフリを...?」
「...ごめん。強引なやり方で優茉を騙すような形になってしまった事は、本当に悪かったと思っている。
ただ、あの時はそれしか思いつかなくて...。どうにか優茉と接点が欲しくて、どうしても俺を好きになってもらいたくて...」
「え...? 好きに...?」
「俺はもう、クローバーをもらったあの日から優茉に落ちていたんだ。あの日からずっと忘れられなくて、もう一度会いたくて...。
再会してからは、色んな表情や感情を見せてくれる優茉の事が愛おしくてたまらなくて...。だから、俺を好きになってくれて、本当に嬉しかった。ありがとう、優茉」
「そ、そんな...」
初めて知る事実に、言葉が続かない。ただ、驚いたけど...でもすごく嬉しくて、ぐちゃぐちゃの感情にとめどなく涙が溢れてくる。
「でも、今さらこんな事を言っても、優茉を騙していた事には変わりないし、信じてもらえなくても仕方ないと思ってる。本当にごめん。最低、だよな...」
ふっと自傷気味に微笑む彼は、見ていられないほど痛そうで、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られる。
「そんな、こと、ありません。柊哉さんがくれた愛は、本物だったって、信じています。私は、そのおかげで強くなれたんです。
私...、柊哉さんのことが、大好きなんです。だから、どんな事があっても、ずっと一緒にいたいです」
「優茉...。ごめん、俺は、もう...、優茉のそばには...」
柊哉さんは俯いて顔を顰め、今にも泣き出しそうな顔で声を振り絞る。
こんなに苦しそうな彼の顔を見たのは、初めて...
「お母さんの、事故のこと、ですか...?」
私の言葉にハッと顔をあげ、目を見開く彼の表情で、やはりそうなのだと確信する。
「優茉...知って、いたのか...?」
「いえ、二日前の命日に、母の遺品の中から当時の新聞記事を見つけて、それで...」
「そう、だったのか...。俺も、信じてもらえないかもしれないけど、命日が同じ日だと分かって、伊織に調べてもらって...」
やっぱり、柊哉さんも初めから知っていたわけじゃなかったんだ。それに、そんな事を知るずっとずっと前から、彼は私の事を...
「優茉、本当にごめん。謝って済む話ではないけど、結果として俺はただ優茉を傷つけただけだった。
優茉を幸せにする権利なんて、初めからなかったのに...俺の、せいで...」
「柊哉さんは...私のこと、もう嫌いになりましたか...?」
「そんな訳ない!でも、俺には、優茉のそばにいる資格は...」
「私も、柊哉さんが、大好きです。その事実を知った今でも、この気持ちは変わりません。
会いたくて、会いたくて...たまらなかったんです」
「優茉...」