エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side

 「可愛い。愛してるよ、優茉」

 脱力した彼女をベッドに寝かせて抱き寄せ、額、肩、腕、力の抜けた指先にもキスを繰り返し人差し指を口に含み舐め上げると、それだけでもピクッと身体を揺らす。

 敏感になっている身体に何度も唇を落とし情欲を煽っていくと、甘い声を溢しながら膝を擦り合わせる。

 「んっ、柊哉さん、くすぐったぃ...」

 「優茉、まだ足りない」

 抱きしめたまま身体を反転させ、彼女を俺の上に跨らせると、初めての体勢に目を泳がせ戸惑っている様子。

 「えっ、や、あの...」

 「優茉がして?」

 「っえ? で、でも、もぅ私...」

 「先に火をつけたのは優茉だよ?最後まで責任とって?」

 恥ずかしそうにぎゅっと首に抱きつく彼女を誘導してやれば、自らゆっくりと腰を下ろし始める。

 「ほら、ここでしょ?」

 「んっ、あぁ...」

 「っ、優茉、動ける?」

 腰を支えてやれば、俺を見つめながらぎこちなく動き始める。

 「気持ちい、ですか?」

 「ん、もっと...」
 
 胸に手をついて俺のために動いてくれる優茉が可愛いすぎて、堪らずもっと奥まで突き上げるように動けば崩れるように抱きつく。

 「やっ だ、だめ、もぅ...」

 俺も限界を感じ、再び身体を反転させ優茉を組み敷いて動きを速めれば、ほとんど同時に二人で絶頂に達した。
 そして力尽きたようにそのまま眠ってしまった彼女を抱きしめ、俺も目を閉じた。
 


 翌朝、伊織からの着信で目が覚め、まだぐっすり眠っている優茉を置いてスウェットだけを履きリビングに向かう。

 「もしもし?伊織?」

 「おはよ、柊哉!昨日優茉ちゃん大丈夫だった?俺も結構酔ってたし、可愛いくてつい飲ませちゃってごめんね?」

 「あのなぁ...飲ませた事もそうだけど、優茉にくだらない事吹き込むなよ...」

 「くだらないこと?」

 「いつもと違う愛情表現をするといいとか、余計な事言っただろう?」

 「あぁ、言ったかも! ふふっ、それで?どうだったの?昨日は甘ーい夜を過ごせた?」

 「はぁ、もう二度と優茉には会わせない」

 「えー!そんな事言わないでよ!もうしないからさー」
 
 伊織の大きい声に混ざって、寝室の方からけほっけほっと咳き込む音が聞こえた。

 「とにかく、優茉が起きたからもう切るよ?」

 「優茉ちゃんに謝っておいてねー!」

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